将棋 駒落実戦譜集

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将棋における「駒落」について

将棋は、基本的に偶然に左右されない「完全情報開示ゲーム」のひとつです。
「完全情報開示ゲーム」は他には、囲碁・チェス・連珠・オセロなど多数あります
多くは2名で争いますが、いくつかの特徴があります。
1:偶然の要素が少ないので基本的にそのゲームが強い方が勝つ。
2:交互に指す(打つ)場合は、先手番が有利になりやすい。
3:上記を緩和するためのルールが作られている。

2:については例にあげた中で将棋以外は、先手(呼び方は異なりますが)
に対してハンデをつけています。
将棋でも、プロ棋戦の年間平均勝率で先手がわずかに勝ち越しており
先手の差し始めの勝利確率は53%と考える人が多いのが現状です。
ただ、現状は先手に実質的なハンデは設けていません。

3:については将棋では、「駒落」というハンデを設けています。
現在指されているのは、左香落(香落)・角落・飛落・飛香落(左香)・
二枚落(飛角落)・四枚落・六枚落・・・・。となります。

駒落の分類

平手(ハンデなし)では、先手・後手と呼びます。
駒落では、駒を落とす方を上手(うわて)、通常の全部の駒で戦う方を下手(したて)と呼びます。
そして、必ず駒を落とした上手から指し始めます(先手に相当)。
また、新聞等の紙ベースで表示する時は、逆に上手を平手の後手側に表示します。

駒落の分類として、上記の落とす駒の種類が一般的です。
歴史的には、右香落・銀落も指された時がありますが現在は指されていません。

上手に部分的な欠陥の有無で分ける場合があります。
香落・飛香落・四枚落以上がそれに当たります。

上手に攻撃力の有無で分ける事もあります。
基本的に、上手は守備的ですが、香落・角落は上手も攻撃力はあります。
飛落以下は守備的ですが、裏定跡では上手から攻撃する事も例外的にあります。

駒落定跡と、位置付け

駒落はハンデ戦ですから、上手から見ると「指導」的な意味が多いです。
従って定跡も、指導的なものが多く勝敗よりも下手の棋力向上を目指したものが主体です。
当然に勝負として見ると、上手・下手ともに裏定跡的なものが多数存在します。
特に下手にとって、棋力の差がある上手がどの程度、勝敗を重視しているのか分かりにくいです。
したがって、下手が棋力が上がるほどに上手がそれにあわせて難しい指しかたをしてきます。
結果的に、下手が棋力が上がってもかえって勝負は逆になる事があり下手を悩ませます。

駒落定跡は丸覚えから入り、意味と考え方を理解する方向に進む事で裏定跡にも対応できます。
相手の指し方に応じる能力は平手戦にも有効です。
従って、駒落はいわゆる大局観を養う事が重要と思います。

このことから、実戦譜を見ながらその考え方を反省する事もひとつの方向といえます。
本サイトの趣旨はこれに基づきます。