角落>上手・向飛車持久戦

角落>上手・向飛車持久戦

角落の上手が初手に22飛と振る、下手の28飛の動きを牽制する狙いだ。
下手は角の利きを主張する指し方も有力だが、他には本局の様に角落ちは位を守る考え方だ。
殆どの歩を付き合う形を作る、この膠着状態は上手も打開は難しい。

下手は駒が多いので膠着ではないが、玉を固める組み換え方が難しい。
本局の下手はうまく対応した、77金から78銀・87銀から58金を78金とした。

変形の銀冠で8筋を守り、また膠着状態になりここは下手が組み勝った。
上手は83金から21飛として、8筋を明け渡した。
下手は危険が去ったと見て、67金寄・77桂と組み換えたが、上手が再度81飛から盛り上げた。

ここでもまだ、膠着状態に戻る可能性はあったが、下手が79玉から68玉と逃げたのがミスだった。
ここで、長い持久戦が終わりを告げた。

攻撃力が弱い上手は、銀冠のままで下手に強く守られると簡単には破れない。
飛が81に移動した上手は、下手に2−5筋をせめられると実は困る。
下手が、玉の移動に手数を使い、かつ薄くなった8筋を狙われ一気に難しくなった。

角落>上手・向飛車持久戦


下手の玉が6筋に移動して弱くなった時に、上手に攻められて繋がった。
下手は堅くならない守備に手数を掛けてしまい、攻撃の機会が生まれなかった。

6−8筋の闘いは、押したり引いたりであったが、玉が近い下手が徐々に損を重ねた。
一番の負担が、上手の飛がいる8筋の守備が必要で、上手の玉がいる3−5筋を攻めにくい。

結果的に、下手は玉を6筋に移動させたが、8筋を放棄は出来ず、そこで戦う事になった。
その時に59飛が負担になってしまった、一番陣形が弱い時に闘いが起きた結果だ。
駒落ちで、下手が負担の多い条件での闘いは、ハンデが生きないので厳しい。

下手の最初の銀冠への陣形変更は、玉を強くするので成功した。
その次の6筋への玉の早逃げは、玉を弱くするので拙かった、駒落ちでの戦略は玉を弱くしない事だ。

角落ちでの位維持から組み合う本局の戦略は、有効だがやはり最後は攻め合いが必要だった。
そこを間違わないと有力だ。。