角落の下手振飛車は、古典定跡では玉の囲いが易しい三間飛車です。
ただ攻撃面で見ると、上手の守備を分断する中飛車が有力とされて
きました。
下手中飛車でも、６六歩を省略して５筋歩交換から５六銀を目指す
指し方が幾分多い様です。
下手は攻撃を急がないならば、６六歩＞６七銀＞５五歩交換＞５六銀
の指し方も手堅いです。
上手はいずれも、角落ち対振飛車の４三玉型は指しにくいです。
また、金で７筋・６筋を攻める指し方も中央の戦いに遅れる可能性が
あります。
結局、上手は金銀の集中で５筋を受けて持久戦にする指し方が普通です。
ただし、下手の陣形によれば５二飛からの逆襲もあります。
本局の下手は、飛の位置以外は、三間飛車定跡に近い指し方です。
上手は、敏感に中飛車に対する中央重視の駒組です。
上手は、金銀を中央に集め過ぎた為に手詰まり傾向になりました。
そのために、５二飛から逆に仕掛ける方向で打開しました。
下手が呼びこんだのかどうかが微妙です。
結局は、２−５筋の局地戦になり、左辺は無視の戦いになり、どちらが
得をしたのかは微妙です。
なぜならば、双方が玉が危険地帯に居る戦いになったからです。
上手はいつもこの傾向になるので、下手がやや損な戦いと言えるでしょう。