角落>相振飛車1

角落>相振飛車1

角落の下手定跡は、大きく分けると、1:居飛車矢倉と、2:振飛車 があります。
下手が矢倉の場合の上手は、居飛車・右四間飛車・中飛車が主流です。
そして、下手の動く前に向飛車にする指し方もあります。

下手が、振飛車(多くは三間飛車か中飛車)にしたときは、上手は居飛車が
多いですがそれ以外も作戦としてはあります。
角が無いのですから飛は攻撃の中心として動きまわる事が多いです。

下手が、上手の作戦を見ずに先に振飛車にした時に、上手が金銀を1段目と
3段目に揃えると、飛は自由に移動できます。

上手の作戦が決まらないうちに、下手が形を決めるのはやや危険ではあります。
理由は本局の様に、手薄になる所を狙われるからです。
相振飛車自体は多くある戦型ですが、上手が下手の作戦を利用して陽動的に
組んだ時はかなり注意が必要です。

本局は上手は、飛先を保留して金銀を3段目に上げて、下手が飛を振った後の2筋を狙いました。
下手が想定していない相振飛車です。これはやや下手が損な戦型です。

上手の金銀が、飛のいる2筋を狙う可能性があるので、下手の玉の囲いが難しいです。
本局は、部分的に2枚の金銀で上部を受け止めましたが、横が弱く囲いになっていません。
玉を囲えないままでは、戦いが難しいです。

角落では、上手の攻撃の駒は金銀ですので、下手は接近戦を避けるのが有効な駒組です。
まして、玉の囲いが出来ていない場合は益々、戦いを起こさない様な注意が必要です。

下手が角落に不慣れか、上手の陽動戦型に不慣れな時は上手のゆさぶりで
陣形の組負けにならない注意が必要です。

角落>相振飛車1


上手は向飛車から飛先をのばします。
下手は2七銀と3七金で受け止めます。
部分的には攻撃は止まりましたが、その後の下手の囲いが困難になりました。

下手の陣形は、2枚の金銀が2−3筋に固定され、飛と1枚の銀で8筋を攻撃する形です。
角の働きが曖昧で、中央の守りが金1枚になっています。
たとえ8筋を破っても、中央を狙われる危険性があります。

それでも、じっくり組めば、簡単には上手は攻める事は出来ないですが、下手は
角を6六に上がってしまい上手の目標にされてしまいました。
角と中央が、争いの地点になると、下手は駒が不足です。

最終的には、下手は5筋を破られて大差になりました。
下手は上手の陽動戦術に対応出来ずに、金銀が分散してしまい、そのままで
角を狙われるミスを出した事で致命的になりました。

玉の囲いで劣る上手は、しばしば下手の玉の囲いを妨害する戦術を使用します。
下手は、上手の動きを見ずに駒組をする事は危険があります。