角落>上手・阪田流向飛車:2

角落>上手・阪田流向飛車:2

角落の上手・阪田流向飛車は陽動戦法です。
駒落の上手の多くは、陽動戦法と焦土戦法の組み合わせです。

その中でも、上手・阪田流向飛車は下手の駒の分断をはかり、
局地的な戦いにする事を戦略としています。

駒落のように、はじめから戦力が異なる場合は、少ない側=上手は
局地戦で戦っている駒のバランスが取れる事を目指します。

その為には、下手に戦いの場所をはっきりさせない様にします。
陽動戦法たる所以です。

もし、上手がそれに失敗してたとえ局地戦でも、下手の戦力のほとんどと
まともにぶつかると、上手はほとんど勝ち目が無くなります。

上手が、下手の戦力の分断に失敗する事も実は結構あります。
その何割かは、下手が気づかずに通りすぎます。

全ての勢力でぶつかると、上手は相当に厳しくなります。

角落>上手・阪田流向飛車:2


上手の5筋から2筋への飛の展開は、陽動的な動きでしたが、下手が2筋を
伸ばさず矢倉囲いを急いだ事から、上手が判断を誤りました。

上手は、2四歩を突き、次に3筋の位も取りました。

下手が矢倉囲いの後に、引き角から攻撃の焦点になる場所です。
明らかに、上手が避けなければならない展開を上手が呼びこんでしまっています。

上手は、下手の矢倉囲いに対する攻撃準備が全く出来ていないうちに、
無理に盛り上がった3筋・2筋での総攻撃を受ける事になりました。

この時点で、上手はかわす事も、戦闘位置を他に移す事も出来なくなりました。
正面衝突で受け止めるという最悪の展開を、下手の完全な矢倉囲い状態で
進めるしか無くなりました。

その後の上手の悪手もありますが、戦いが起きた時点ですでに作戦負けです。