角落>上手・阪田流向飛車:1

角落>上手・阪田流向飛車:1

角落の定跡としては、「下手・三間飛車」「下手・中飛車」「下手・矢倉」が有名です。

角落は上手からもある程度の攻撃が可能といわれています。
従って、指し方は上手・下手ともに多彩です。

従って、単に定跡だけでなく、局面に応じた対応が必要です。
そしてその基本となるのは、下手が上手の戦略を知っている事です。

上手は、角がない事を次のように補おうとします。
・飛の働きを最大限に発揮させる。
・玉の囲いを最低限にして、最低でも1枚の金を攻撃に使用する。
・下手の攻撃を逆用する指し方を、上手は行う。
・下手の囲いの欠点に、攻撃の的を絞る。
・入玉を含みに盛り上がりを見せて戦う。
・戦線を広くとり、局地戦での駒の勢力のバランスを取る。

角落>上手・阪田流向飛車:1


阪田流向飛車は、上手が2二飛とする作戦です。

そのタイミングは、いくつかありますが、下手が早くに2筋をのばす事を考慮
すれば初手が無難な選択です。

ただ下手の作戦に応じて、上手が作戦を立てるならば金銀の動きを先に行います。

上手の狙いは、2筋を飛が向かいあっている状態にして、他の駒の動きで盛り上がる事です。
いわゆる力戦にして下手のミスを誘う事です。

具体的には、3三桂から2一飛の形で、飛を広く移動させる形を目指します。
そして、全体的に金銀を盛り上がり、下手の弱点を探します。

本局は下手の舟囲いが上部に弱く、7筋の下手の玉頭が争点になり上手成功の形です。
2筋から上手の飛車が移動した後の、下手からの攻撃からはしばしば見られる形です。
上手は2筋は下手の攻撃を遅らせて、その間に他で戦う戦略です。

本局は下手のミスで、攻め合いで上手が有利ですが、通常は攻めたり受けたり、入玉
含みだったり、争点が変わるように上手が指して、混戦に持ち込みます。