角落の下手・矢倉対上手・右四間飛車の対抗です。
作戦的には、オーソドックな形でです。
下手は、７九角・２四角・１五角と活用し、その結果として最初は
左美濃に構えました。
結果的に、上手が右四間飛車から６筋の歩交換から６四銀として
７七銀が必要になり、通常の金矢倉になりました。
しかし、下手は囲いに手数を掛けていないので、仕掛けが上手の
攻めよりも早く出来ます。
通常の３七桂と３三桂の対抗ではなく、下手の２六角には上手は
３三銀と４四を守るので、ここで形が変わりました。
下手の強気の攻め合いで、あっというまの攻め合いに突入しま
した。
全て、下手の誘導ですが攻め合いは下手の正確な読みが要求され
ます。
下手の、「７九角＞２四角＞１五角＞２六角」のルートは、通常の
「飛先の飛での交換＋７九角＋（４五歩・同歩・３五歩・同歩）
３五角・３四歩・２六角」と比較して、３筋の歩の交換をするなら
ば手損になります。
異なるのは、下手に左美濃の余地がある・３筋の歩交換なしで角が
攻撃参加する・上手が４四の地点を３三銀で守る形になりやすい
です。
上手は、通常の形でも３三銀は選択できるので、下手が強要する
形とも言えますが、結果的に似た形に落ち着きます。
実戦は下手が、積極的に急戦に出たので、激しい攻め合いになり
ました。
攻め合いの終盤は、駒落ちハンデの読みの精度差が出るので、
下手に精度ある読みが要求させます。
本局は、２三飛成から４四歩が詰めろでなくて、上手の攻め勝ち
になりました。
上手の全ての駒を相手にするので、仕掛けはハンデを考えると
微妙と言えるでしょう。