角落>下手三間飛車端攻め
角落の三間飛車定跡は厚みで押すので、切れ味は鈍いが手堅いとされる。
課題は手詰まり模様の解消だとされている。
本局の下手は、一貫して両方の端を狙い、攻めの速度の課題に答えを出した。
ただし、香の下に飛を廻る雀刺しは破れた形から手数がかかる。
その間の相手の動きが抑える事が出来るかが課題だ。
定跡書ではこれにて良しとしても通用しそうだが、実戦はそこからがまだ長い。
互いに組み合って、37桂と33桂とした時の18香で下手が作戦を明らかにした。
79飛から19飛・15歩を受けるには、上手は12香から11飛か、32玉から23玉しかない。
上手は手抜きで攻めあうには紛れが少ない形で、それは23玉型で下手が15歩としない時も同様だ。
下手が仕掛け無い時を考えれば、12香から11飛しかなさそうだ。
19飛と11飛が向かい合った形での57角から77桂が巧妙だ。
下手は66歩を打つのかは悩むが、9筋は破れている。
上手は、57角の形では92香と上がり難いからだ。
角落>下手三間飛車端攻め
上手は9筋が破られた形から23桂と打ち、紛れを求める。
その形を見ると、下手が桂を持っていると15歩・同歩・23桂の攻めが有ったと判る。
これも1筋が破れた形で、上手は飛を展開して攻めあう事になる。
下手はどちらの端を破るかの選択だった、どちらも時間がかかるが確実で比較は難しい。
本譜は95香と91香成と92飛成が無条件で実現すると勝ちだ。
その時間を如何に稼ぐかの勝負だが、下手は上手に攻めさせて受ける考えもある。
実は迷いがある事がミスを呼ぶ。
下手は少しずつ、紛れの形になる。
上手は選択の余地がなく、ひたすら絡むだけだ。
その中で、下手に詰めを見逃すミスがでて突然終わった。
まだまだ難しいが、その形が下手の望まない闘いだろう。