香落>端飛車43銀・32金

香落>端飛車43銀・32金

香落ちで上手の端飛車から43銀・32金型は戦前に多かった。
下手からの急戦を受け止める手段だ。
平手の居飛車の戦法で、持久戦の位取りや左美濃や穴熊が増えると廃れた。
考え方としては、持久戦では左香落ちは負担が少ない筈だが、玉の囲いの弱さも大きい。
上手の玉は62銀の早囲いが一般だがいかにも弱い。
結局は上手がどれだけ、中盤で優位になるかがポイントだ。
下手は、7筋位取りを選択した、上手の8筋が狙いだ。
上手は持久戦になり、45歩から石田流に組み替えて64歩から動く。

香落>端飛車43銀・32金


香落ちから完全に平手感覚になり、上手が玉頭を狙われる前に攻撃する。
上手は駒得になるが、下手は23銀から強引に飛交換して64桂の形は厳しい。
上手の攻めはやや重いが確実だ、それでは間に合わないと84桂から上から攻める。
下手が85歩から逆用して争点となる、そこから一転して8筋・7筋の攻防となる。
玉頭戦は厚みを築いた方が制するが、下手は8筋が強いと見て位を確保しなかった。
その結果は、85桂とされて逆転となった。
終盤のミスだが、作戦的には成功していた。
香落ちでも上手は難しい。