香落では、相振飛車にする指し方も多いです。
相振飛車は様々な指し方がありますがその特徴としては
1:玉の囲いが多様で、定跡とされている金無双が最善とはいえない
2:矢倉囲い、美濃囲い、穴熊囲い、カニ囲い、その他。
3:玉との距離が遠い所に、飛車を振るのが有利とされています。
4:通常の振飛車と同様に左桂の活用がポイントになりやすい。
5:相居飛車と同様に、玉の囲いの端攻めが有効になりやすい。
6:金無双の場合は玉のこびん(4筋か6筋)が弱い。
7:角交換になりやすい。
これが、香落になると
4:5:が上手には出来にくい。
そのために、下手は1:2:にも7:にも普通に対応できています。
上手は、逆に全て制約となります。
この為に、3:の常識を踏まえて持久戦にすると作戦負けに
なりやすい負担があります。
上手は、その状態で指す事も多いですが、奇襲的な指し方もあります。
その一つが、上手の中飛車から浮飛車から角交換の指し方です。
奇襲的な指し方ですので、リスクも大きいです。
下手の美濃囲いは、上手の飛位置からは妥当でしょう。
上手の奇襲的仕掛けは、まずまずですがその後の攻防に上手は問題が
多いといえます。
本戦では、下手の美濃囲いは王手飛車のラインに入りましたが
飛角総交換は、美濃囲いと金無双との囲いの差が明白になります。
終盤については、定跡を越えた泥試合です。
上手が早く攻勢に出る戦型は、下手が丁寧に対応すれば無理な事が多い
ですが、下手の囲いと攻めの体勢のバランス次第では油断がなりません。
中飛車や四間飛車は上手の位取りから駒のぶつかりになった時に
下手の玉位置が近い場合は、上手の攻めは効果的です。