香落の下手が半急戦を選んだ時の上手は、悩ましいです。
攻撃態勢には、時間がないが、待っていると厚みを作られます。
上手・四間飛車から３二銀は下手の急戦待ちですが、端の傷が
あるので、待っているだけでは捌けない危険があります。
下手は上手の捌きに対応出来る陣形整備が終わると、それ以上
待つと端攻めが、間に合わなくなります。
見た目よりも、双方にチャンスが少ない組合いかも知れません。
上手は、待ちきれるか、あるいは攻める陣形を組むかの選択です。
下手は、どこで仕掛けるです、端攻めが間に合わないと作戦負け
になります。
３二銀型は、４五歩を狙っていますが、玉は囲えるが香落ちでは
角交換から３三銀型が、重いとも言えます。
上手は、４二飛・３二銀・１三歩で待機して、玉を囲いました。
そして、８三銀からの組み替えが、分岐点でした。
下手が、攻撃態勢を作っているときに、囲い過ぎると、反撃が
限られます。
特に、３二銀をどの様に使うか、５筋と６筋との攻めを考えるか
どうかです。
結果的に、下手に１八飛とされて１二飛が出来ないので、４五歩
になりました。
これは予定ですが、香落ちでは３三銀型になると、８八角に対して
かなり捌き辛いです。
１三香成るを防ぐ１二飛と、３五歩に対する５一角は流石に
大きな作戦負けを認めました。
上手はその局面で、端や２筋を手抜き、反撃出来ないといけない
局面でした。
ただ、陣形がそれに対応出来ていないという判断ですが、それは
それ以前の駒組負けなります。
５四歩から５五歩を狙うか、６五歩から６四角を狙うか、４三銀
から銀を使うか、どれも簡単では無いが本局よりは難しいでしょう。