香落の相振飛車です。
下手は、ほとんどが三間飛車ですが、本局は上手も三間飛車です。
上手が、角と桂を使うと端が利きが無くなります。
下手は、端攻めがこないと見るので穴熊は有力です。
しかし、上手が持久戦の中で、角と桂を跳ねたために、下手の端飛
まわりを警戒して１四歩とつきます。
穴熊の下手が受けないと、手待ち気味に１五歩とします。
この手は、微妙です。
その中で、上手から１六歩以下の端攻めが生じました。
これは、端を破るのではなく、桂香交換と、下手の陣形を乱すだけです。
ただ、それがぴったり成功した不思議な例です。
下手の穴熊は、必ずしも端攻めなしでは無いという事です。
下手が７筋の歩の交換なしで、７六飛は上手の盛り上がりを避けて
有力です。
下手の穴熊も同様に有力です。
ただ、下手はゆっくりしすぎました。
消極的過ぎて、上手の最善形になり、手待ちを嫌った上手が攻撃に
決戦に乗りました。
下手は、上手が決戦を避けると予想していたので混戦になりました。
そして、結果的に香のない、上手の端攻めが成功しました。
もともと、上手は焦土化しても良い場所ですので、陣形を乱すだけの
端攻めもありえます。
下手はやはり、積極的に攻めるべきでしょう。