香落>上手ひねり飛車

香落>上手ひねり飛車

香落の上手は振飛車と思い込んでいる人も、いるかと思います。
香落定跡で、上手の石田流は見かけませんが3五歩型は多いです。

上手が、ひねり飛車から石田流風に指す事も充分にありえます。
ひねり飛車は、下手が相懸かりに応じなければ無理と思うかもしれ
ません。
しかし、上手が8筋の歩の交換をしないならば可能です。
「相懸かりでの、8四歩・2六歩・8五歩・2五歩・8六歩・同歩・
同飛・2四歩・同歩・2三歩・1一角にて上手勝ち」は時々みかけ
ます。上手有利でしょうが、7六歩以下上手が竜を作り、下手が1一
角と端を狙う展開は上手も力が必要です。

また、8四歩・7六歩・8五歩・7七角・8四飛・2六歩・7四飛・
2五歩・7六飛・2四歩以下下手有利の順は、7六飛とすればの変化
です。
上の手順で、7七角の代わりに6六角・8六歩・同歩・同飛・8八飛
以下下手有利も、8筋交換すればの変化です。浮いた6六角を狙う
力戦になります。

上手ひねり飛車と言っても、実際はどこで戦いが起こるか判らない力戦
になる事が普通です。
上手もそれを想定した戦型です。

香落>上手ひねり飛車


下手は、8八銀を早く決めすぎたかも知れません。
下手の狙いが、居飛車・端攻めから、相振飛車へ揺れ動きます。

上手は相振飛車を選ばずに、力戦に持ち込みます。
8八銀が、8五歩を狙う展開を嫌ったのでしょう。
下手の2七銀の形も、急戦向きではありません。

加えて、下手が端攻めに出れば、もう収まらないでしょう。
手損も、香落もあまり関係ない乱戦になりました。

上手ひねり飛車は、通常の下手の早仕掛けよりも、双方が玉を
囲わない進行になりやすいです。

下手の経験不足・定跡の不完備を、上手が狙う戦型と思います。
上手が有利な要素は、他にはなさそうです。