香落の下手が平手同様の駒組をしました。
特に端を突き越さないので、明らかです。
上手・３四銀型に４六歩から４七銀は、香落ちでは珍しいです。
上手が四間飛車で応じるのは自然です。
下手の駒組は平手と同様ですが、６八銀は珍しいです。
普通は、６八金寄型を目指すか、その上の左美濃を目指します。
端を直接に狙わず、１一や１二の空間を狙う形ですが、上手はそこ
まで気にしても無理なので、ひたすら待機します。
下手は、香のない陣形がマイナスになる駒組を目指し、上手は
無理に動かずに追従するのが、普通です。
下手に負担が多いと見る人が多いですが、実際は簡単ではありま
せん。
上手は、美濃囲いのままで歩をどんどんついて行きます。
香落ちでは、多く見られる指しかたで、飛が押さえ込まれた時に
３段目で玉頭方面で使う含みがあります。
同時に、そこを戦場にする力戦模様です。
下手は６八銀としたので、駒組が難しくなり、４五歩と仕掛けまし
たが、この形は１一香がない方が負担が少ないとも言えます。
上手は２三銀が残り、下手は角を打ち込まれた形は部分的には
良い勝負ですが、上手は満足な捌きあいと考えます。
香落ちでは、マイナスが少ない展開と言えるでしょうから。
以下は駒を取り、攻め合いですが、８六桂が問題でした。
上手に８五歩から８六歩という、急所の攻めが入り、下手が苦しく
なりました。
下手の陣形が予想以上に弱いことや、上手の陣形が意外と耐久が
ありました。
平手感覚の戦いは、上手の振り飛車が平手感覚でも優位になる
可能性を想定するべきです。