香落＞三間飛車・石田流
上手の３五歩＋三間飛車は定跡形だ。
４三銀・４六歩に３四銀としなかったのは趣向で、仕掛けを覚悟している。
囲いを優先する上手に対し、下手が仕掛けなくじっくり組むのは、香落ちでは珍しく作戦負けの危険が多い。
本局は上手が石田流本組に組んだが、下手は有効な攻撃が出来なかった。
中央の小競り合いでは、香落ちの下手は不満足だ。
下手が１筋を伸ばして、仕掛けないと上手は、左香がない事が負担でなくなり、むしろ取られない意味が出て来た。
その結果は、上手から２六飛のぶっつけになり、下手が２七銀から２六歩と受けるのでは、勝てない。
以下順調とは行かなかったが、下手の作戦ミスが大きかった。
香落＞三間飛車・石田流
３五歩型は香落ちの定型だが、石田流を目指すものでない。
角の使い方の選択が減り、３三桂まで組むのに手数がかかる。
香落ちではそれ以前に、下手が仕掛けるのでその形にならない。
上手が石田流本組に組めたのは、下手が仕掛けず有効な駒組をしなかった為だ。
故に、組んだ所では既に下手は難しい。
もはや、端攻めが間に合うか疑問になった。
下手が中央から動いたのは部分的には正しいが、全体からは手遅れだった。
上手も楽観からか手が伸びていないが、下手の飛・銀が遊ぶ展開は形勢が離れた。
香落ちで、下手が端を詰めて仕掛けないと、手損が残り香落ちに優位がなく、既に失敗だ。