香落は、下手がいかに香のない所を利用するかにあります。
しかし、下手としては通常の居飛車の持久戦で戦う指し方もあります。
展開によってはいつかは、端の香の不在が負担になる見方です。
ただ、一般には支持者はすくないです。
上手が振飛車で先手で、しかも大駒の捌きあいになれば、香の不在が逆に
取られない優位になる可能性があるからです。
下手が持久戦にしたときに、上手は同じ様に持久戦の駒組をしますが、同じ穴熊の囲いあい
にするか、上部に厚い銀冠指向にするかの選択があります。
上手の考えには、大駒の捌きあいになると、香が１枚取られないので下手の端を絶えず
狙う事が一番です。穴熊には、桂香歩の攻めが有効です。
下手は、６八角という居飛車穴熊でよく現れる形が上手の１三の地点を狙っているのが
実は重要です。
上手が、普通の振飛車感覚で指すと、３三桂とはねた形が、１三に駒が利いて
いない事になり大きな傷になります。
上手は、６八角からの引角対策が序盤から必要です。
下手が玉を固めて、１三を直接狙う形は避けなければなりません。
上手が３五歩を突く形は、この戦型の常識的な指し方です。
３筋と４筋の攻防は上手のおもわく通りになりました。
実際は、下手が大きなミスをした訳でないですが、香落ちのハンデが消えている事・
逆に香がない事が上手のプラスになっていること・穴熊の端を単純に狙われた事等で
作戦的に失敗と言えるでしょう。