香落の上手は端攻めは避けにくい。
だが、下手・１六歩に１四歩を受ける形もある。
上手の狙いは勿論、１五歩・同歩・同香・同角だが、下手は１五
香の前に２四歩・同歩を入れてから１五香で攻める。
上手が変化するなら、２四同角になり、その時に４四角を防ぐ
４二飛が有力だ。
そして、２四同角・１五香・同角・２三飛成をも消す３二銀型が
有力になる。
１四歩・４二飛・３二銀の形で玉を囲い、その後に下手の陣形を
見て動きを決める作戦だ。
本局は、下手が超急戦に出たので完全な力戦になった。
下手が２筋より先に１筋を延ばし、上手が１四歩としたので、上手は
突然に１七香から１八飛と雀刺し模様となった。
上手は、１二飛としたがそれ以上は守れないので玉を囲う。
下手も玉を囲うべきだが、棒銀で端を狙った。
これで完全に破れているが、上手は焦土作戦に切り替えた。
結果的に、下手の棒銀が負担になり、上手の一方的な攻勢になり
３八角で決まった。
香落ちでは、下手は玉を囲うべきだし、上手が焦土的な作戦は常套
なので、ちぐはぐになった。
雀刺しは確実な攻めだが、相手にされないと重くなり、一般には
あまり指されない。
６八玉型の決戦は流石に無理だ。