下手は、定跡に捕らわれずに自由に指すことも可能です。
特に、機動力のある飛車の有無の差があるので、陽動戦法は
下手の特権です。
居玉で、囲わない事は持久戦になるとおおもね欠点になりますが
急戦の時は、上手の攻め駒から遠いというメリットはあります。
ただし、大駒の両取りなどにかかり易い位置ですから、大駒を派手
に捨てる様な攻撃には不向きです。
上手は、下手の攻撃力の弱い側に玉を移動して、攻めて来る所に
金銀を集めるのが常識的です。
ただし、金銀は機動性がないので、下手の陣形にあわさないと
働かない金銀が残り、駒落ち以上に戦力不足になります。
上手の考え方として、下手の陣形に合わせて玉を移動させる事と、
金銀を分散させて下手の陣形を見る事があります。
下手の陽動戦法は、両者共に対応力を要求します。
下手は居飛車を見せてから、端歩突きと間合いを取り、８六歩と
妖しく動きます。
上手は、８六歩を振飛車と見るか、玉の囲いと見るか判りません。
従って、金銀を全て中央に集めるのは危険と見ました。
下手は向飛車から７五歩＋７六銀の形でした。
上手は、金だけでは守れないので銀の応援をはかり、玉は中央で
隙間をカバーします。
上手がひたすら受けに廻ったので、下手は再度２筋−３筋を狙います。
このときは、上手も下手も駒が左右に分かれた形です。
下手は角成に成功して攻勢ですが、飛を捨てた時に、居玉の欠点が
出ました。
入玉絡みの指し方は、上手の定法です。