飛香落の下手の１七桂跳び早仕掛けは序盤から成果を上げやすい
作戦です。
その中でも、６八金・３八銀・居玉は最小限の駒組です。
あとは全て、攻撃の指し手で良いという判り易さです。
上手が、下手に１四歩交換を許す指し方では、上手の有効な変化
は少ないのです。
なぜならば、下手が自陣に最低手数しか使っていないからです。
そこで、端を破られるならば、無理にでも紛れを求める考えも
出て来ます。
紛れであって、論理的な成果ではないのですが、下手は始めて
だといやな面もあります。
１七桂に３三桂の形はある所です。
２六歩から２五桂には、同桂から同歩・２六桂を見せていますが
それで成功という訳でもありません。
本局は、下手・１七桂早跳び戦法の典型的駒組に対して、上手が
強引に、力戦的な対応をしました。
上手３三桂は、ある手ですが１三が弱くなるのでとても、無難とは
言えません。
シンプルに、１二歩でも通常定跡と似た展開になりそうです。
下手の２六歩は落ち着いているが、桂の交換する場所が変わるだけ
とも言えます。
ただ、本局はそこから上手が大きく変化しました。
３一角から２二金は、時間稼ぎで、本当の狙いは６四角の転用です。
それが、下手の２五桂・同桂・２八飛・３七桂成で実現しました。
後は、弱くなった端からの侵入と、居玉の玉頭の上手の攻め合いに
なりました。