飛香落・下手1七桂早跳び定跡は優秀な戦法ですので上手は避ける場合も多いです。
上手の戦略としては、本サイトでは、既に多くの定跡外しを紹介しています。
実戦譜ならではの事ですが、逆に裏定跡の知識があって、本定跡が生きるとも言えます。
「上手・3三桂型」・「上手・2三銀型」・「上手・2四金型」は、端歩を下手が飛車
で交換する事を妨害または、端桂の跳ねだしを妨害します。
そして再度の登場になる、「上手・お神酒指し」があります。
この戦型は、上手が角交換を望んだ陣形で、かつ積極的に攻めを目指します。
大駒落ちで、上手から先制攻撃するのは、常識的には攻めが途切れます。
しかし、駒落ちの手合い差がありますから下手も正しく応接する必要があります。
下手のオーソドックスな対応として
とりあえず守備の陣形を整える。
通常の囲いは、矢倉囲い特に片矢倉囲いにする。
片矢倉は、角交換に向いています。
上手の攻撃陣形を妨害する。
角の打ち込みの隙を作らない。
上手に、歩を持たせない。
特に7五歩を交換させない。
この方法は、3つあります。
・上手6四銀または8四銀に対して、8六銀または6六銀で対抗する。
上手の理想は6四銀から、7五歩を交換して8四銀と移動する事です。
・上手の7五歩交換で、7五銀になった形で、飛先が2五歩になるように指して
下手から2四歩・同歩・2五歩の継ぎ歩をねらう。
2四同銀は、5五角狙いです。飛香落ちでは、片方は空成りですが敗れている。
・継ぎ歩をしない場合でも、下手は7六歩と受けない。
下手が6七金型では、7六歩は直ぐに必要ないし、7三桂も跳ねにくいです。
上手が理想的な展開になっても、上手の攻勢は無理筋ですが、駒落ちの手合いでは
下手は受けにまわるのは、ミスをしやすいでしょう。
下手は、片矢倉囲いという陣形の知識はありましたが、それ以外の知識や経験は
なかった様です。
上手の端攻めは、この形の常道ですが、簡単に成功はしません。
8五桂を消した、8六歩は弱気ですし、6九玉の早逃げは逆に端に弱点を作り
ました。
上手の陣形は、下手が駒を持てば弱いので、下手はじっくり受けて駒を入手後に
反撃すれば、充分戦えますが、弱気になり桂香歩の攻めで「と」が出来る形は
上手の成功です。