今では上手が角がある駒落で、上手が３手目に３三桂とするのはかなり知られています。
通称「鬼ごろし」と呼ばれるこの指し手は「奇襲」「はめ手」と呼ばれる事が多かったです。
しかし、現在では平手・プロ棋戦でも序盤の早い段階で桂をはねる形も多くなっており、
ひとめ無理というような昔の感覚はなくなりました。
・上手の考えは、４四歩を突かず４五を焦点にしない。
・上手から、２五桂・４五桂跳びを見せて下手の作戦を難しくする。
下手からの１七桂早跳び急戦や右四間飛車で４五で駒をぶつける狙いを牽制しています。
上手の指し方は、下手次第ですが、本局の上手の構えは代表的です。
全く未経験の下手は、構想を立てることが出来ていません。
ただ４五桂に備えて５七を守ります。
次に、１七香から薄い上手の端を狙いました。
しかし、飛香落ちでは早くに突かない３六歩が弱点になりました。
また、上手５五銀に対して決戦におうじたのは、いかにも不可解です。
角切りから飛角交換になり、飛を打ち込まれては下手は勝てない形です。
上手鬼ごろしは、隙が多い様に見えますが、完全持久戦に持ち込むか（簡単でない）
中途半端に全体のバランスを取った形を選ぶと上手の１点狙いの攻めを呼び込みます。