飛香落>右四間飛車:3

飛香落>右四間飛車:3

飛香落・下手右四間飛車・上手矢倉に対しての下手の平均的な作戦です。

飛香落では、下手は1筋の歩交換を行いますので駒組はおくれがちです。

従って、飛落の右四間定跡と比べて、・上手は3三桂をはねる必要がない。
・下手は3六歩を突く必要がない。となります。

これは3−5筋の勢力が上手が先にそろうからですし、下手は歩を持ち、
1筋から攻め込める形だからです。

下手が3六歩を突かないと、上手から3五歩と突く事もあります。

しかし、飛香落特有の指し方として、1七桂とはねる攻撃があります。

2五桂と跳ねた形が、弱い1三をせめているので、「桂は中央に活用」の格言で
4五に跳ねて使う必要がないのです。

現代は、色々な戦法で桂を使った端攻めがありますので、1七桂から2五桂も
珍しくないですが、将棋の基本的な考えは3七桂から4五桂と使うのが本筋です。

飛香落>右四間飛車:3


本局の攻防は、飛香落の別の定跡・1七桂早跳び定跡と似た展開です。

上手は端はいつかは破られるので、途中で角交換から攻め合いにでます。

下手は強引に攻め合いましたが、攻め駒不足で上手に速度計算されてしまいました。

最後は、きれいに即詰みになりました。

下手の陣形では、7八玉と5八金が必ずしも必要でないという考えで指すのが、
1七桂早跳び定跡です。

上手からの反撃を無視して攻め合うならば、堅くない余分な囲いといえます。

従って本局は、1直線の攻め合いと下手の陣形が合っていなかったといえます。