飛香落の上手・お神酒指しは無理を重ねた戦型だ。
下手は簡単に勝てる気がするが、攻めるか受けるかの方針は必要だ。
17桂早跳び定跡が進歩した経緯には、最小限の陣形整備で攻める思想がある。
本局は下手の同じ発想だ。
飛香落ちでは、上手は1筋のケアは微妙だ、故に22金型もありえる。
飛落ちでは22金は32金と姿を整えるが、飛香落ちでは急がない。
上手は右の銀を進出して、定跡的に進める。
下手は77銀・78金・58金・69玉だけで、攻めに出る。
下手は棒銀を選ぶ、4手で15銀と進める事が出来るが、陣形整備が
手数が少ないので上手も手が進んでいない、具体的に9筋が進んでいない。
上手は香がない、14歩は受け難い、そこで15銀まで進む。
上手は2筋で銀交換すると、ほとんど動けなくなるが、拒否も難しい。
上手は棒銀対策の54角を打つ、44角から66角の交換は紛れを求めた。
上手は微妙に14歩・26銀を利かすが次に36角でも36歩でも26銀は働く。
下手は、15歩と35歩との攻めがあり、もはや攻めに専念できる。
上手は待てばどんどん悪くなるので、9筋から強引に攻めるが下手玉は遠い。
上手は99とを作り、96角で攻めるがその瞬間はなにも無い。
下手は99とが動く前に、7筋を攻めてその隙に96角を殺す、角を切った
上手は切れている。
下手は馬を自陣に引き怖い所がない、次に2筋で飛を活用する。
25飛を走る前に7筋を攻めると、25飛から7−9筋への展開が可能だ。
結果は竜が出来て完勝となった。