飛香落>1七桂早跳び:1

飛香落>1七桂早跳び:1

飛香落・下手1七桂早跳び定跡は優秀な戦法です。
ただ、その上での2つの見方があります。
1:上手の香がない欠陥を一番厳しくとがめる戦法である。
2:優秀ではあるが、飛香落のみに使用可能な定跡である。飛落や
  平手にも応用が出来る、右四間定跡の方を憶えた方が上達には
  向いている。
  
飛香落がどの程度指されるかも影響しますが、現在は右四間の早仕掛け
は飛落や平手でもあまり指されないので、2:は古い考えになっています。

ただ、将棋の昔からの考え方「攻めは飛角銀桂香歩」を学ぶには、右四間が
適しているというのは正しいでしょう。

その上で、現代将棋特にプロの戦型を観ると横歩取りを始め、「攻めは飛角銀桂香歩」
は死語ではないかと思う定跡・戦型が増えています。

原則から外れても、もっと正確には原則や常識にとらわれないで将棋を指すという
考えが進んでいます。

羽生名人は、「将棋が自由になった」と言っています。

考え方は多様ですが、1七桂早跳び定跡は優秀であれば使うべきであり
棋風に合わなければ使用しなければ良いと自由に考えるべきでしょう。

1七桂早跳び戦法が有名になったのは、大橋巨泉氏がプロ相手に指した連戦での威力でしょう。

それは、長い年月が経った2009年で見ると「飛角桂歩」で戦う戦型が
プロで多く指される様になった事と同じ発想と思います。

飛香落>1七桂早跳び:1


角道を開ける>端歩を突く>1八飛から端歩交換>6八金>3八銀>1七桂以下
攻めかかるというのが、大筋のシナリオです。

ここで必要な守備は、6八金と3八銀です。
それ以外の囲いはオプションです。

6九玉とするのがプラスかどうかの意見は分かれますが、急ぐ必要はない
という意見が多いと思います。

攻撃としては、2六歩が必要かどうかです。
1七桂に2四歩と受けてから、2六歩で良いケースが多い様です。

下手が1二歩から2五桂とするのは、無難な指し方です。

1二歩を省いて2五桂から1三桂成と攻める形もあります。
この場合は上手の1三同桂>2五桂を避けて、2六歩を突く場合も多いです。

本局は、下手が無難に指しているので上手が5五歩と止めて8四桂とする形になりました。

本局を含めて、下手は龍を1四に据えた後で、1五桂と3一桂の交換を入れるのが
良いとされています。