飛香落は普通は、下手が端の歩の交換が出来ます。
飛香落でも、上手が端の歩の交換を拒否する指し方がいくつかあります。
2四歩から2三銀とするのはその一つで、代表的です。
利点は、下手に端を破りにくくする事です。
逆に欠点は、駒が左翼に固まりすぎる事です。
これに対して、下手は通常通り1筋と2筋を攻める方法と、駒の少ない
上手の右翼を狙う指し方があります。
この戦型の序盤のポイントは、上手が角を出来るだけ浮かさない事です。
本局では、3二銀・2四歩・3三角と正しく慎重に進めています。
これを3三角を省いて、2三銀を急ぐと、2二角が浮くので下手から
2五歩・同歩・同飛・2四歩・4五飛の強襲が成立します。
本局の下手は、1・2筋を棒銀で狙いました。
2五と1四とを銀で攻めるのが、この形ではよくある攻め方です。
ただ、これに拘り過ぎて角道を止めて、中途半端な囲いをしてしまいました。
結果的に上手から、攻め合いに出られて攻めが中途半端になりました。
終盤に一直線の攻め合いで頓死したのはやむを得ないです。
むしろ、それ依然のいったんはゆっくりした攻めを目指しながら、
一転して攻め合いに応じた対応に問題があります。