八号古墳に消えて

「八号古墳に消えて」について

原作は、黒川博行の警察小説=本格ミステリ「八号古墳に消えて」
です。
そしてテレビドラマは「警視庁黒豆コンビ:2」の
『地底からの叫び』です(仮題?)。

黒川博行は、一貫して大阪を舞台にしてミステリを書いています。
そして、その会話は全て大阪弁です。
その面白さからユーモアミステリと呼ぶ人もいます。
登場するのは「大阪府警捜査一課」です。そこに属する複数の
刑事が主人公になります。
「黒田憲造」「亀田淳也」のコンビは「黒豆コンビ」と呼ばれて
シリーズのエース級です。このふたりの掛け合い漫才的な会話が
このシリーズの売りです。

しかし製作の都合か、大阪弁の出演者が揃わないのか、漫才的な
面白さが時間や俳優的に出せないのか、「東京警視庁」に置き換
えられて背景が全て東京近辺に変えられています。
題名も同様です。
「黒豆コンビ」のみから推測可能かどうかですが、ここでは
原作題名を使用しました。

台本について

私が保有している台本は、決定稿です。
従ってキャストも全て記入されています。

題名「警視庁黒豆コンビ2:地底からの叫び」
原作「黒川 博行:『八号古墳に消えて』」
脚本「坂上 かつえ」」
監督「長谷川 康」
主なキャスト
黒田憲造: 大地康雄
豆田淳也: 村田雄浩
山城俊男・捜査一課課長: 中山仁
村橋勝・同 係長: 深水三章
沢居健作・同 刑事: 山田アキラ
片岡悟・東京文化大学研究員: 古本新之輔
高橋菜穂・同 研究員:和鞍さほり
浅川亮介・同 教授:清水こう治
浅川和代・夫人: 中村万里
斉藤刑事・西八王子署 刑事:由地慶吾
中村鈴子・同 交通課婦警:石橋奈美
宮崎朋子・同 同:松見早枝子
榎本良男・東洋史研究所 所員:竜川剛
植田美津子・植田の母:長内美那子
植田俊孝・東京文化大学研究員:井田國彦
安藤雄二・遠山建設開発部長:宮内洋
今村雅子・浩一郎の妻:岡由希子
今村浩一郎・東京文化大学 助教授:保坂尚希
秦野史子・浅川助教授の助手:藤谷美紀

「警視庁黒豆コンビ2:地底からの叫び」について

キャストを全て書いたのは、大阪から東京に舞台を変えた
内容が類推できるからです。
そして、警察関係では主人公2名以外は、全て所属も名前も
変わっています。同じの方が不思議ですが・・・。

ミステリ・ドラマでは、キャストを見れば容疑者や犯人が
分かると言われています。
テレビドラマでは制作費から、知名度の高い俳優を使用でき
ません。
従って中心人物かどうかは、キャストで分かる訳です。
そのキャスト名を見ると、ドラマの役名が原作と同じ・一部
のみ変更が数人のみいます。
そしてそれらが、原作同様に容疑者や犯人等の中心になります。
ここに、背景を変えた場合の脚本の作り方がかいま見える気も
します。

原作からの大幅変更について

もともと、長編ミステリを2時間ドラマにする事がむりですので、
何らかの省略や変更が必要になります。
また有名な原作の場合は結末をわざと変える事も行います。
次に多いのが、時代設定と背景の土地設定です。
この原作の場合は、古墳ブーム以前に書かれていることにも値打ち
があるのですが、その後のドラマ化ではその拘りはないでしょう。
そして、先に述べたように大阪を舞台にしている原作の面白さは
ドラマ化が困難というはんだんでしょうが、製作面を考慮して
東京に変わっています。

これらの変更は、多く行われていて珍しい訳ではありません。
むしろどこを残し、他を変えるという事情が見える所が興味が
あるのではと思います。

結果として原作の持つ面白さは、全く異なるものに姿を変えて
います。

原作がある場合はそれも考慮します

色々な呼び方があり、少しずつ意味は異なります

ここではやや影の部分といえるシナリオを読みます