父と子の炎

「父と子の炎」について

日本テレビ系放送のいわゆる「火曜サスペンス」の作品です。
原作は、小林久三です。
作者は松竹の助監督・プロジューサーから作家になりました。
昭和45年に江戸川乱歩賞を受賞、本作で昭和55年に角川
小説賞を受賞しています。
映像化された作品は他にもあり、サスペンス傾向の作品は映像化
に向いているのでしょう。
作品数は多い作家ですが、代表作の「暗黒告知」や「錆びた炎」
などで、作品の問題点が指摘されるなど必ずしも恵まれていない
です。
現在では多くは古書でしか読めない状態になっています。

「父と子の炎」は、警察官の父親にあこがれていた息子が、どう
しても超えられないことこら、次第に離れ憎しみさえ持つに
至ります。
ついには、世間と父親を驚かそうと大事件を引き起こします。
1週間での激しい展開と、最終2章の遠く離れた日付が微妙です。

台本について

私が保有している台本は、決定稿でキャストもおおかたは記入
されています。

題名「父と子の炎」
放送「日本テレビ 放送日不明」
制作「日本テレビ 松竹(株)」
脚本「長野洋」
主なキャスト
横溝警部補: 若山富三郎
横溝一彦: 佐藤浩市
横溝芳江: 岸田今日子
狭山紀子: 畑中葉子
平井警部補: 加藤武

この作品は、ストーリーをいささか書きにくいです。
同時に背景となっている年月日も書けないです。
また、本作の最終章の「二千五百五十五日目 」は何をさすか
そして、舞台となる警察署はどこかもあえて書きません(原作も
脚本も当然ながら書いてあります)。
そして、その題材は現在にいたるまで幾たびか書かれています。

原作・ドラマについて

本作は、映像化されたものを見たか見ていないか記憶に残って
いません。
ジャンルとすれば社会派ミステリですので、映像化しやすいと
思います。
ただ話題性が先行したのか、現在では小説も、映像の再放送も
見かける事はありません。
小林作品には、経歴上から背景の設定や時代性など注目され易い
こつが見られます。
しかし、逆にミステリ的な魅力に欠ける事と、その成立さえ
危ぶまれる強引さは、ベストセラーであっても、時代と共に
風化しやすい危険性が伴います。

原作がある場合はそれも考慮します

色々な呼び方があり、少しずつ意味は異なります

ここではやや影の部分といえるシナリオを読みます