赤と青の殺意

「赤と青の殺意」について

有爲 エンジェルは、群像新人賞や泉鏡花賞受賞の作家でミステリ
とは距離を感じる作家です。

「赤と青の殺意」はその作者のキャラクター「姫子」を女探偵役に
として活躍させたミステリです。
ミステリとしては唯一的で、構成的にもやや異質な内容と感じる
部分がいくつかあります。

姫子は、年齢不詳であり、ロンドンから帰国後に「姫子の館」と
いうレストランを開いています。
冒頭で元従業員の合田香の、自殺事件に疑問を持つ所から始まります。
そして、不規則に挟まれる主人とドレイの話。

「姫子の館」に多くの人物が集まる場面から話が初まります。
死者からの手紙をきっかけに関係者へ向けての姫子の調査?が始まり
ます。
従業員でバリ島への旅行が決まり、舞台が大きく展開します。
人間関係が徐々に明らかになる中での、再度の死。

東京に戻ってからも姫子は、疑問を持ち続けます。
そしてついには、香に似せた整形手術を受けた、そっくりの人物と
出会います。

結末はどんでんかえし狙いだがやや曖昧に感じます。

台本について

私が保有している台本はテレビドラマの多分準備稿です。

題名:「赤と青の殺意 (仮題)」:台本
   「赤と 青の殺意
     八丈島からの殺人招待状
     オペラの調べは 殺しの予告」:放送時
原作:「赤と青の殺意」
     有爲 エンジェル
脚本:橋本 綾
演出:小谷 承靖
主なキャスト
大河内姫子: 鷲尾いさ子
畑中琢也: 
おばば: 
野口メイ子(合田香): 
畑中美也: 
畑中満千溜: 
勇: 
江木: 

小説「赤と青の殺意」とドラマ・「赤と青の殺意」について

ドラマ「赤と 青の殺意・八丈島からの殺人招待状・オペラの
調べは 殺しの予告」は、平成 5年 5月29日放映です。

ドラマは姫子が経営する「姫子の館」というレストランの開店
一周年の 従業員と常連客が集まったパーティで始まります。
小説とは異なり、姫子に名字がありますし、年齢も設定されて
います。
そこで、従業員旅行が決まります。
台本では「伊豆のXX島」となっており、放映では八丈島に
なります。
その後で、香の死が起こり話が展開してゆきます。

ドラマでは、小説のファラッシュバックや合間の匿名の話が
省かれ時系列主体のオーソドックスなミステリ展開になって
います。

小説は作者の個性なのかも知れませんが、ミステリとしては
非常に凝ったようで、メリハリのない曖昧で判りずらい文章
と構成で作られています。
非ミステリ作家の個性とも、ミステリの不慣れとも言えます。
ドラマは、サスペンスドラマのオーソドックスな展開になって
おり、判りやすいと同時に原作に特異せいは、良くも悪くも
無くしています。

結末が、再度八丈島の崖での謎解きはサスペンスドラマの
定番でしょう。

原作がある場合はそれも考慮します

色々な呼び方があり、少しずつ意味は異なります

ここではやや影の部分といえるシナリオを読みます