新宿鮫

「新宿鮫」について

大沢在昌 原作の「新宿鮫」は、第1作のヒットと共にシリーズと
なっています。
1:新宿鮫、2:毒猿:新宿鮫2、3:屍蘭:新宿鮫3
4:無間人形:新宿鮫4、5:炎蛹:新宿鮫5、6:氷舞:新宿鮫6
7:灰夜:新宿鮫7、8:風化水脈:新宿鮫8、9:狼花:新宿鮫9

第1作が映画化されました。
第4作で直木賞受賞して、以後NHKでドラマ化されシリーズとなって
います。

キャリア上がりながら、新宿署の1警部として捜査する鮫島警部が
主人公です。
鮫島は映画では、名前が付いていますが小説では不明です。
鮫島と対抗する警視庁の上層部に対して、鮫島は何か過去の
スキャンダル?の証拠を持っているようですが具体的には不明です。

一人で捜査する鮫島と、その理解者であり何もしないと署内で言わ
れている上司の桃井、そして鑑識の藪が登場します。

又、鮫島の私生活ではロックバンドのボーカルの晶が登場します。
ただいくつかの作品では、事件に巻き込まれますし、バンドの人気が
高くなってゆくに従い、微妙なすれ違いになります。

映画では、鮫島を真田広之が、晶を田中美奈子が演じていてファンも
多いです。

一方、テレビドラマでは鮫島を館ひろしが演じ、晶はロック歌手が
作品で替わって演じています。
川村かおりの死去が影響しているのかもしれません。
こちらにもファンは多いです。

キャラクター的にはかなり異なりますが、ハードボイルド小説ならば
如何にキャラクターを活かすのかがポイントです。
それぞれに好みが異なっても不思議はありません。
勿論、小説の主人公に近いかどうかで決まる事でもありません。

映画化を前に、「シナリオ 新宿鮫」が出版されました。

台本について

私が保有している台本は、文庫版の「シナリオ 新宿鮫」です。
シナリオと対談・エッセイ等が含まれています。

題名「眠らない街・新宿鮫」
原作「新宿鮫」大沢在昌
脚本:荒井晴彦
演出:滝田洋二郎

主なキャスト
鮫島:真田広之
晶 :田中美奈子
桃井:室田日出男
藪 :矢崎滋
香田:今井雅之
エド:松尾貴史
砂上:浅野忠信
鈴木:余貴美子
吉川:新井康弘
西尾:塩見三省
藤丸:中丸忠雄
木津:奥田瑛二

「眠らない街・新宿鮫」とドラマ「新宿鮫シリーズ」について

原作には、鮫島の生き方が描かれています。ハードボイルドの
主人公は読者を引きずる魅力が必要ですし、それがこのシリーズ
の成功理由です。

このタイプの小説では、主人公の魅力がミステリとしての謎を
決める事は少ないです。
むしろゲスト的な登場人物・犯人役が重要です。その性格設定は
それ自体が謎の中心であり、映像化のポイントとも言えます。

本格ミステリでは、キャストを見れば犯人が分かるとも言われます。
この作品のスタイルは、犯人側を含む多重視点ですから、魅力ある
登場人物が如何に多いかもポイントです(量ではなく質です)。

映像化に当たっては、主人公以外の視点に当たる登場人物の魅力も
強く、成功の理由になっています。
ちなみに、原作者は「映画を見て犯人を殺した事を悔いた」と書いて
います。「魅力的な犯人は、もう一度使いたかった」との事です。

今回、再度作品を読んでもう長い時間が過ぎていた事を感じました。
小説の主人公は年齢は自由ですが、映像のシリーズでは俳優は歳を
取ります。継続してシリーズを作れるかは微妙になってきます。

原作がある場合はそれも考慮します

色々な呼び方があり、少しずつ意味は異なります

ここではやや影の部分といえるシナリオを読みます