女弁護士高林鮎子・西の旅長崎の殺人

「津村秀介と、女弁護士 高林鮎子シリーズ」について

津村秀介の「ルポライター・浦上伸介」シリーズはアリバイトリック
ミステリ、特に時刻表アリバイものとして有名です。

鮎川哲也を中心にしたアリバイ崩しの本格推理は、列車等の時刻表
トリックも扱います。
ただ、厳密に時刻表アリバイ崩しを中心にする事は難しく、作品数
は限られ、次第に一般的な本格アリバイ崩しミステリと、トラベル
ミステリに別れて行きました。

従って、トラベルミステリーにも、本格味の強い作者・作品と、
旅行やグルメ本を小説にした程度のものが有ります。

テレビドラマのサスペンスは現在も多く制作されていますが、
シリーズ物が人気・制作面で増える傾向です。
女弁護士 高林鮎子シリーズは、弁護士事務所の3キャラクターで
始まりましたが、直ぐに津村秀介の「ルポライター・浦上伸介」
シリーズを原作になりました。
原作者は、制作条件として法廷場面を使用しない事をあげたと
言われています。
真偽は未確認ですが、1作のみ法廷場面が登場します。

テレビの違う放送局では、浦上伸介が登場する作品も制作されて
いますが、数的にかつ期間的に高林鮎子シリーズが圧倒的です。

ただ、登場人物が全く異なるので、ストーリーが登場人物に関わる
ものは、内容も大きく変わります。

また、原作が作品発表時の交通機関や時刻表を使用しているので
新作ほど映像化しやすい事があり、映像化の順序はバラバラです。

台本について

題名:「女弁護士 高林鮎子18・西の旅 長崎の殺人」

原作:津村秀介「西の旅長崎の殺人」
脚本:高久進・小木曽豊斗
演出:鷹森立一

キャスト
高林鮎子:真野あずさ
竹林慎平:橋爪功
草鹿達之介:丹波哲郎
松方竜也
早川健二
榎本菊江
沢村千鶴子
橋田部長刑事
川瀬刑事

ドラマ「女弁護士高林鮎子・西の旅長崎の殺人」について

草鹿法律事務所の所長と、所属弁護士の高林鮎子が依頼事件担当で
推理全般担当ですが行き詰まると、所長のアドバイスで新しい見方
になります。
そして、時刻表に詳しい弁護士の補佐的役の竹林慎平が時刻表
トリック破りを担当します。

原作では、ルポライター・浦上伸介と雑誌編集長と、全国紙支局長
とその知り合いの警部が協力します。
途中から、雑誌編集部アルバイトで浦上担当女子大生が登場して
浦上とコンビを組みます。

全国の事件が入ってくる環境とそこへゆける環境と、警察等の
情報が入手出来る環境があれば、キャラクター設定は変えられる
とも言えます。
ストーリー上で難しいものや魅力が落ちる事もあり得ます。

津村作品の時刻表トリックの特徴に飛行機の利用があります。
飛行機は乗車名簿が存在するので偽名であっても、使用した
路線と時刻が判れば、逆に簡単にアリバイが崩れます。

飛行機利用アリバイは、使用有無や路線がわからない事が犯行計画
の基本です。
それを忘れた、トラベルミステリーも散見しますが、かなりずさん
に思えます。
本作は長崎がキーワードで、それが何を意味するかです。
広い意味では前例はありますが、それをより隠すアレンジが
あります。

かなり長期に渡るシリーズで、登場人物の年齢も制作時期で変
わっています。
半オリジナル台本です。

原作がある場合はそれも考慮します

色々な呼び方があり、少しずつ意味は異なります

ここではやや影の部分といえるシナリオを読みます