「上手の裏定跡：５筋不突き」も多様すると下手の対策が見えて来ます。
上手の一番弱い地点は、５三です。
もう一つは、５三銀型と同じ考えで６三銀を下手の銀と交換する攻め方です。
そして下手の囲いは「カニ囲い」が無難でしょう。
上手の右金に対しては７八金で受けるのが、下手のセオリーです。
上手は実は、下手が５五歩を突いても、３二金と２二銀の活用はかなりリスク
があります。
本局は、下手が６四歩型に対してひとつの有力な攻め方をしめしました。
下手の５七銀は作戦の成り行きで出来た形で、カニ囲いではありませんが
無理に攻めに参加指せなければバランスは悪くありません。
下手の攻撃態勢はシンプルですが、理にかなっています。
４筋の歩を交換して、４五銀の形を作ります。
次に、５五歩から５六飛として、５四での銀交換を目指します。
この形での上手の６三銀は貴重な守備駒です。
上手は、とりあえずしのぎますが下手にじっくりされると今度は４三が弱いです。
上手の２二銀の活用は勝負手ですが、下手に逆用されては受け止められません。
５三が敗れて下手の必勝形になりました。
勝敗は、下手が上手の９五角を見逃して逆転しましたが、５筋不突きに対しては
成功した攻め方でした。