「上手の裏定跡:その2」の登場です。
その名も「5筋不突き」です。
二枚落ちでは下手が4筋の位を押さえるのを妨害するのはハメ手的な手段になります。
「多伝崩し」や「5筋不突き」は本格的なうら定跡と言えます。
狙いは、「銀多伝定跡」「3歩突き定跡」ともに5五の地点と4四の地点が争点になります。
5筋を突かないと5五で駒がぶつからない。
また上手の銀が5三にいないので4四でぶつかる駒が歩のみになります。
歩を交換して角が飛び出しても5三歩がいるので歩の交換に終わる事が多い。
下手は完全に迷っています。
銀多伝から中飛車は攻撃の方法が思い浮かばなく、3歩突き風に駒組を進めます。
3筋の歩を交換して、銀を3五に据えれば何とかなるという方針でしたが、
上手が7−9筋から先攻して乱戦になりました。
おまけに2二銀を2四にぶつけられてわけが分からない戦いになっています。
ただし上手も無理をしているので、5三を小駒で直接に狙う攻めが意外と厳しい。
結局どうなるのか分からない内容になります。
この展開は上手が望んでいたものです。
結果はともかく、上手の裏定跡は成功しています。
下手は、7−8筋の対応が甘かったです。