電子回路の品質規格

電子部品ですので、標準規格はあります。
材料の規格・電子回路の規格・製造工業の認定規格等多数あります。
日本工業規格のような公的規格や、関係団体が定めた業界規格、民間会社が定めた民間規格、そして国際規格です。
(2011/05/08)

公的規格は全て適用という考えと、一応仕様書に書くという考えがあります。
ただし、一般に公的規格は緩くてそれを満足する事は当たり前と考えられています。
業界規格は、制定する国の事情で異なる様です。
日本では、製造会社が集まって作成したものが多いです。
これはやや緩い規格になります。
アメリカの規格は、製造メーカーだけでなく、材料メーカーや加工メーカーやユーザーとなるメーカーが参加して作成したものが多いです。
これは、かなりぎりぎりの規格になります。
なぜならば、緩い規格はユーザーが納得出来ないですし、無理な規格は製造出来ないまたはコストが高くなるので製造側とユーザーともに損になります。
これが、出発材料から、各種加工を経て最終製品回路まで連鎖します。
適正規格で適正コスト・価格で製品を提供する事が、総合的には全体の利益になるからです。
電子回路板、またはそれの組み込み製品がアメリカに輸出されるケースは多いので、アメリカの規格はかなりの標準になっています。
(2011/05/08)

用途別の規格

民生用では、コストと品質のバランスが重視されますが、用途によれば異なります。
具体的には、軍事用途があります。医療用途・車載用途も別にあります。
軍事用途と民生用途を、双方同じ工場で作る事は、普通はないです。
軍事用途は、機密保持が多いですし、輸出関係で輸出管理令という法律が絡みます。
後者は、製造・設計技術・装置も含む事が多いので、全く管理体制が異なるのです。
とにかく、軍事用は規格が非常に厳しくコストはあまり重視されません。
医療用は、PL法の絡みから自然に規格が厳しい方に変わります。
そもそも、使用可否の判断までに至る事があります。
車載用は、QS9000規格取得という要請がありました。
極端に多い部品数の機械の一部であり、故障率の要求が非常に厳しく、それが製造段階から経営まで規定されるものです。
(2011/05/08)

難燃性の規格

難燃性とは、文字どうりに燃えにくい性質です。
回路板の材料は絶縁部が、熱で、燃えるものと溶けるものが多いです。
難燃とは、発火や延焼を防ぐ性質を求めます。
熱に弱い材料でも、燃えない性質を要求します。
国や回路の規格にも有りますが、アメリカの民間規格の「UL規格」が一番普及しています。
これは幅広い製品を対象にしていますが、使用部品が「UL規格」対応であれば、申請・評価も簡略化されますし、通り易くなります。
「UL規格」該当品は、決められたマークをつけて、イエローカードという詳細記述書類を発行出来ます。
民間規格でも、立ち入り検査を抜き打ちで行い、アフターフォローが続きますので、信頼性の高い規格とされています。
もちろん、難燃性にもグレードがあり、それはマーク・カード等で記載・分類されています。
(2011/06/22)

輸出管理令:1

結構厄介な規格というより法律がこれです。
旧COCOM(対共産国向け輸出規制)から派生した法律です。
日本では、主に軍事用途様の製品・材料・技術・製法等の技術関係の包括規制法案です。
したがって、電子回路板全てが対象ではありませんが、技術的に高度なものは結構関係します。
厄介と言うのは、この対応に、法律の知識と技術・製品知識の双方が要求されるからです。
それに、規格ではなく法律ですから、間違いでは簡単にすみません。
会社によって、専門部署を設置する場合と、管理部署を設置して、各該当事業部門に教育と管理を行う場合があります。
いずれにしても、責任者は上級者になるでしょう。
そして、この法律は輸出令ですから、企業内でも国籍が関係してきます。
(2011/08/06)

輸出管理令:2

輸出管理令に関する事項は、輸出時の申請内容になっています。
商品の内容の説明に、材料・用途・技術・・その他、この法令に違反していない事を申請します。
通常のルーチンの仕事では、手間がかかるだけの事が多いです。
該当時または、その可能性がある時のみに申請する方向で行いたいものです。
従って、多くの企業等では社長名で、厳密な社内管理を行い、該当時に申請する事を事前申請する事が多いです。
これは全ての扱う商品を網羅して申請しますから、非常に重い内容です。
ルーチン作業は容易になりますが、非ルーチンの地域への輸出や用途不明の製品の輸出や技術管理など負担も多くなります。
電子回路板は、用途が該当しないか・輸出先が規制地域でないかが一番影響します。
しかし、実は加工品の電子回路板よりも材料状態の方が規制に該当する場合が多いです。
それは、加工前は加工する事で色々な用途に転用が可能だからです。
(2011/09/21)

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