電子回路の製造技術:基本工程

基本工程は、要素工程とも言えます。
電子回路板の製造では、新しい製品開発に対応した新製造技術と、従来製品の品質改善・工数改善を目指した新しい製造技術と、熟成された製品のコストダウンのための製造変更とが絶えず行われています。
電子回路板では、工程順を変更する事で行う製造技術の改善があります。
従って、要素工程と工程順設計に合わせた製造技術があります。
(2008/07/29)

1:ベース材料製造

電子回路板は、導体が接続部以外も露出している場合と、絶縁物等で被覆されている場合があります。
ベース材料は、導体を支える絶縁体です。
電子回路板の種類によっては、部分的にベース材が存在しない構成もあります。
しかし基本はベース材と、導体の存在で電子回路板が構成されます。
ベース材料は、最終製品でも導体を保護したり、強度的に支えたりする電子回路板の構成要素となります。
しかしながら、製造技術として見ると一部の例外を除いて、ほぼ全部の製造工程で加工の強度的な保持の役目を果たします。
そして一般に、ベース材料の材質・グレードで回路板材料を分類します。
(2008/07/29)

2:銅箔材料製造

導体は銅に限定されません。
異なる材質も一部では使用されています。
ただし、銀に次ぐ導電率をもち、コスト的にも有利で、加工技術が進んでいる銅がほとんどの導体として使用されます。
電子回路板の使用目的の多くは、現在では電力用途ではなく、接続・部品実装等です。
従って、厚みの要求は限られて来て、銅箔使用になります。
銅箔は大きく、・電解銅箔と・圧延銅箔に分けられます。
(2008/07/29)

3:被覆材料製造

被覆材料は、必ず必要ではありません。
しかし、銅は錆びたり変質します。
用途により被覆保護が必要な場合が増えています。
ベース材と被覆材という2つの絶縁体で、導体の銅を挟んで電子回路板を形成する事になります。
被覆材料は、非常に多くの種類にわたります。
そして製造工程のどこで被覆作業を行うかは、製造上で重要な工程です。
(2008/07/29)

4:銅貼基板材料製造

電子回路板の製造の基本は、サブストラクト方法です。
用途の多様化に伴い種々の製法が開発されています。
しかし、銅貼基板材料から始まるサブストラクト方法の完成度は高く継続されて使用されるでしょう。
サブストラクト方法とは、ベース材と銅箔を貼り合わせた銅貼基板を出発材料として、銅箔の不要部を取り除き電子回路を形成する方法です。
全面銅箔から不要部を除くことから、名称が付いています。
ちなみにその逆はアデティブ法と言います。
サブストラクト方法の普及には、銅貼基板材料製造メーカーと回路板加工メーカーが異なってもかまわない事があります。
銅貼基板材料製造から行う事を特徴としている加工メーカーも存在します。
ただ製造設備・技術的には規模が大きくなります。
現実に銅貼基板材料にはグレード規格が存在して、複数のメーカーが類似機能の材料を生産しています。
その結果、コスト性・供給安定性・専業特化性・難燃規格等の取得の効率化等の多数のメリットがうまれます。
(2009/03/24)

5:ベース材と銅箔を貼り製造

銅箔にベース材を設ける方法は幾つかあります。
1:銅箔にベース絶縁材を塗布する方法。
2:銅箔とベース材を接着材料で貼り合わせる方法。
3:銅箔と接着性のあるベース材料を貼り合わせる方法。
1:はベース材料が塗布材料という特殊な場合であまり一般的ではありません。
3:は、ベース材を作る方法と類似しています。
ガラスクロスやガラスマットをはじめとして、中心の機械材料に接着性のある絶縁材料を塗布したものを重ねてプレス機等で貼り合わせてベース材を作ります。
この貼り合わせ品単独でも販売します。
ベース材の厚さや種類は規格化されていますし種類も多いです。
それと銅箔とを再度貼るイメージです。
2:は3:の作業を1回で行う方法です。
これだけでは作業が1回で優れている様に思いますが、2:のベース材料は通常は複数の種類の接着材料を組み合わせて厚み等を出しています。
また厚みが多くて材料が多数枚になると加工不良も多くなります。
そしてそれに貼り合わせる銅箔材料も多種類あります。
勿論、片面から多層まで銅箔の枚数も複雑です。
コスト・納期的に、注文生産が向くケースは限られますし、トータルとしての莫大な種類を在庫として保有するデメリットは非常に大きいと言えます。
(2009/07/08)

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