電子回路の製造技術:穴加工工程

電子回路板の製造工程の、重要工程に外形加工工程があります。
これによって、物理的に必要な形状を作ります。
それと同様の意味で、穴空け工程があります。
一般に、回路板では、外形内にある材料がない部分を穴と呼びます。
その形状や大きさや、加工工程によらずに「穴」とまとめて呼ぶ事が多いです。
(2011/12/20)

穴の種類

穴は、色々な目的で使用されます。
特異なのは、バイアホールで、両面回路板・多層回路板で層間の導通を取る目的で使用します。
類似したものに、回路板加工工程上で何らかの目的で使用する穴があります。
つまり、最終製品では物理的・機械的には使用しない穴です。
一般的には、回路板の製品として顧客が使用する目的です。
穴の利用方法には、1:位置合わせ用の穴があります。
2:具体的に相手側と接触して使用する嵌め合い用の穴も多いです。
3:回路板を使用するときに、何かに接触する事を避けるために空白を作る穴もあります。
それは形状が大きいとか複雑な形状とか、外観的に特徴があります。
4:部品穴は、回路板に色々な部品を搭載するときに、足つき部品が存在する場合に設けます。
以上は用途的ですが、穴の形状の種類や、加工方法の種類による分類もあります。
丸穴が多くしかも加工方法が多いですが、金型やルーター等で作る異形穴も増えています。
加工方法は、加工技術の進歩と要求精度の向上で、次々に多彩になっています。
位置精度・形状精度・穴断面の切れなどが機能として、要求されます。
(2011/12/20)

穴の形状と加工方法

穴の加工方法は、材料の種類にもよります。
一般的には、金型加工が主体ですが、丸穴に関しては、ドリル加工が多いです。
材料によっては、レーザーやエアーアブレッション等のマスキング方式による広義のエッチングがあります。
特殊方法の具体的な加工方法は後にして、ドリル・金型・ルーターを考えます。
ルーターは、ドリル加工を垂直以外に水平に移動して穴等の加工を行います。
ドリルは現在は、コンピュータ制御のNC(数値制御)ドリルを指します。
回路データをキャドで製作する時は、部品として抜き穴を加工種類別に登録すれば、精度よくデータが取り出せます。
穴は丸穴で、かつ径はドリルに依存します、在庫等や入手からある程度限定されます。
一般に、ドリル加工は先穴方式に多く利用され、回路加工後の後穴には殆ど利用されません。
後穴は、位置あわせ方法に工夫と専用装置が量産には必要です。
異形穴は、金型加工が標準です。
形状は、材質と金型の製作限界まで可能です。
ただし、金型の製造方法により細部に形状限界が生じます。
金型加工技術は、異形穴と異形外形を持つ回路板にはその性能を決める大きな要因です。
(2012/02/03)

NC(数値制御)ドリル・ルーター加工

回路板設計がCAD化されるに従い、急激に注目・普及したのが、NC(数値制御)ドリル・ルーター加工です。
個別入力は可能で、CAD化は必然ではありませんが、多数の数値入力の容易さは重要です。
数値入力方法には、実物の読み取り・別入力機器からの入力・CAD入力データからの読み取り等があります。
CAD入力データからの読み取りには、事前に穴位置データが必要ですが、穴とランドを部品化する事で容易に制作出来ます。
そして、そのデータの精度は理論上も実際も高い精度が確保出来ます。
ドリルは、上下移動で加工します。
ドリルの形状を変えて、側面の回転で削り加工を行うのがルーターです。
機能的に共存できる加工方法ですので、双方の加工が可能な装置が増えています。
ルーターの方が、側面加工ですので非加工材の厚み制約は多いです。
穴系の変更や、ルーター加工の角の加工形状などからドリル交換が必要になりますが、多数のドリルセットの自動交換機も増えています。
実物の読み取りデータは、繰り返し加工用と、画像認識による実物加工があります。
回路板は、後半工程になると加工歪みや材料の収縮で寸法変化があります。
それの部分的な対応方法として、実物の穴位置の画像認識とドリル加工があります。
この工程は、ガイド穴がメインで後穴加工と呼びます。
(2012/05/03)

金型加工

金型設計も、キャド化・数値化されています。
回路板設計のアートワークを、キャドで行うとそこから、金型設計のデータを取り出して利用出来ます。
基本的に金型を設計して使用するときは、異形形状に加工するときです。
同時に、加工形状の再現性の向上が出来ます。
従って、異形穴は勿論、丸穴加工にも使用する事が多いです。
一般加工としては、後穴加工で他の部分の打ち抜きと同工程になります。
例外的に、製品加工工程のツール穴を先に打ち抜く方法もあります。
穴形状・位置を標準化するならば、ドリル加工よりも高い精度で、少ない工数になります。
金型で丸穴加工する時は、金型製作費用的にはドリル加工で金属加工を行います。
ただし、より位置精度を高くするときや、ドリルの穴径が端数の場合は、異形穴と同様の工程になります。
金型加工の場合は、ドリルよりも摩耗も影響が少ないので穴径の安定が期待出来ます。
大量生産に向いている金型加工、少量生産に向いているドリル・ルーター加工が一般イメージです。
(2012/06/17)

レーザー加工

レーザー加工は急激に進歩しています。
中でも、小径の穴加工では特別に先行して広まっています。
ドリルや金型の機械加工は、強度的に小径加工に向いていません。
逆にレーザーは、加工径を小さく絞る程に、エネルギーが集中して効率が上がります。
実用的なレーザーも複数開発されており、用途や材料で使い分けられています。
炭酸ガスレーザーやルビーレーザーを中心にして、実用になっています。
材料によって、十分な出力があるばあいは、マスキングで多数穴の一括加工になる事もあります。
ルーターの様な使い方も可能です。
材料との兼ね合いもありますが、加工後は穴エッジにスミア等のゴミが残ります。
溶融加工とも言えるので、これを避けるのは難しいです。
レーザー加工は、穴明け後の、エッジ等の処理を含めます。
レーザー加工が、急激に普及しなかった理由はコストにあります。
(2012/08/01)

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