電子回路の製造技術:回路形成工程

電子回路板の製造工程の、重要工程に電気回路のパターンを形成する工程があります。
この工程が確立されて、始めて電子回路板の量産が可能となります。
この工程は、電線の配線と異なり、システム的に配線が再現される事に特徴があります。
フォトマスクという原版を、銅箔回路にコピー形成する事で再現性を確保します。
それは一度、配線が正しいと確認されれば、繰り返して同じ回路が製造出来る事を意味します。
(2009/12/09)

銅箔のエッチングによる、サブストラクト法

全面貼り銅箔から、不要な部分をエッチングで取り除く事で、電気回路を形成します。
不要部を除く=引き算で形成するので、サブストラクト法と言います。
一見無駄な方法に思えますが、全面銅箔の製造方法の確立・フォトマスク製法の確立・エッチング方法の確立がされて主流の製法となっています。
一度箔を作り、不要部を除くという無駄に見える事も、選択的に銅回路を形成する方法(アデティブ法)よりも技術的に再現性やコスト性が優れており実用的に進んでいます。
フォトマスクという原版を写す作業は再現性がよく、電気的な再現と特性の安定性という重要部を間違えない方法として量産に向いています。
(2009/12/09)

銅箔に対する、選択エッチング材料

全面貼り銅箔に、「フォトレジスト」を覆いエッチングで取り除く部分のレジストを除去します。
銅回路として残る部分のみがレジストが覆っていて、残りの銅が露出しています。
この状態で、回路板に存在する材料(基材・接着材・レジスト等)には影響せずに銅を選択的にエッチングする材料があればエッチング加工が可能です。
条件的には、実用的速度と再現性が必要ですが、塩化銅・塩化鉄がメインでその他のエッチング材料もわずかに使われています。
古くは塩化鉄がメインでした。
エッチングという工程のみで言えば技術的に熟成されています。
塩化銅が多く使用される事になった経緯には、エッチング使用済み材料の処理問題があります。
一度のみ使用の塩化鉄と、専用装置を設置して再生して再利用が可能な塩化銅との差がランニングコストに大きく影響する事になったのが大きな理由です。
現在では、回路材として流通しているものはどちらでも使用可能と言えますが、必ずしも全ての材料が双方とも使用可能ではありません。
片方のみ又は、双方ともに問題ありもあり得ます。
装置モジュールとして販売されていますが、特殊な材料では事前の確認と安定性の確認は必要です。
(2010/01/23)

両面・多層回路板のバイアホール

両面以上の多層回路板では、複数の銅箔回路を繋ぐ事が必要です。
話を簡単にする為に、両面回路とします。
一番多い方法は、銅箔+絶縁体基材+銅箔を貫く孔を明けてその孔に導体を設置して2枚の銅箔を電気的に接続します。
導体としては、きしめ金属・半田・金属メッキ等多数ありますが、量産性からは銅のメッキが主流です。
間の絶縁体にもメッキする必要があるので、無電解メッキ+電解メッキがこれも主流です。
無電解メッキのみでは、技術的にかつコスト的に信頼性が高く厚さが確保出来るメッキは難しいです。
ただし、過去形になりつつあります。
メッキで回路を形成する技術は進歩しています。
ただ、導通を無電解メッキで作り、その上に電解メッキで銅の厚付けをおこなう方法が長く使用されています。
導通孔には2種類あり、・孔を部品の実装等にも使う、・単に導通のみに使用する・・があります。
後者のみをバイアホールと呼ぶ事が多いです。
実際に導通の信頼性の面からは、部品孔と導通用孔を別に形成する事はしばしば使用されます。
電気回路形成後に、導通を作る方法もありますが浮きパターンがあれば電気メッキは単純には出来ません。
従って、最初のベタ銅の時に、孔明け>導通メッキ>回路パターン形成の工程が一般的です。
この工程では、回路パターン形成のエッチング工程で導通メッキがエッチングされない様に導通孔がマスキングされている必要があります。
通常は回路パターン形成のレジストにその役を持たせます。
フィルム状のレジスト=テンティングレジストの使用となります。
(2010/03/09)

フォトレジストの種類

高精度電子回路板の回路形成には、フォトレジストが使用されます。
精度の向上と、技術的な安定性により広く使用されています。
フォトレジストは、フォト工程の性格からポジタイプとネガタイプがあります。
フォト工程を終えて、エッチング工程になる時点で、回路となる部分=銅箔等を残す部分がフォトレジストで覆われている必要があります。
フォト工程は、銅貼り回路材とフォトレジストとフォトマスクを重ねて、光露光します。
この結果、フォトマスクの回路パターンが銅の上に残ります。
この時に光が当たらない部分が残る=マスクと同じがポジタイプで、逆に光が当たった部分が残る=マスクと逆がネガタイプです。
銀塩写真と同じ扱いです。
フォトレジストが厚みのあるフィルム上で、バイアホールの上を覆ってしまう=テンティングするタイプが主流です。
ただし、テンティングが強いとフォトレジストが厚くなりフォト加工精度は落ちます。
逆も同様です。テンティングが不要な場合は、液状フォトレジストを使用する事が可能です。
液体のディップまたはコートで薄い膜を作り、乾燥してフォトレジストにします。
テンティングは出来ませんが、フォトレジスト厚みが薄いので、超微細パターンを形成出来ます。
勿論、フォト工程で形成したフォトレジストの回路パターンがそのまま、銅の回路に出来るかどうかは、エッチング工程にも依存します。
多層のように、バイアホールがある場合の殆どはフィルムタイプが使用されます。
(2010/06/08)

このページの先頭へ