露出導体

銅貼回路材は、基本的な用途から単体使用は殆どない。
部品等の搭載と、電気的な接続機能を併せ持つ事が目的として多い。
単純に接続ケーブル的な用途もあり、配線ミスを無くす重要な手段です。
用途は多様でも、外部との電気的な接続が必要な事は避けられない。
そして、回路板の導体がそのまま外部接続用に露出される事も製法上避けられない。
導体の殆どが、銅箔だという実状から露出部、露出接続部が銅箔となる事も同様だ。
ただし、銅箔が電気接続には必ずしも向いていないので表面処理を行う事が主流だ。
その処理は、使用ユーザーが行う事もある。
ただし、錆防止や保管を含め無処理は少ない。
(2016/05/31)

露出銅箔の表面処理の種類

銅箔の表面処理には無処理も含まれるが、錆を考慮すれば例外的です。
その事からまず防錆剤処理があり、化学的な薄い防錆膜を形成する複数の薬品処理が提案されている。
銅箔の接続方法の多くは、半田接続であり、露出銅箔の処理も半田が多い。
半田処理の方法は多様で、電気メッキ・リフロー半田・ペースト印刷などが主体だが、その他も多い。
半田処理は環境問題と重なる部分があり、組成的にも種類と課題があります。
接触接続方法が増えたが、複数回の脱着目的や作業性の改良や多様な目的がある。
酸化という問題から、金表面処理が望ましいが、コスト的に半田処理やその他の防錆処理が使用される。
電子部品のボンディング用途対応も必要になり、新しい接続方法が登場すると全て対応が望まれる。
他の材料にスズメッキがあり一時は多く使われたが、ひげ結晶発生問題で対策品に変わって居る。
表面処理は、材料の種類・厚み、処理方法など多様な問題となっている。
(2016/05/31)

被覆部銅箔の表面処理の種類

銅導体を絶縁物で被覆する用途は多い、本題と外れるが述べる。
被覆の目的は多様で、被覆手段も材料も多様だ。
原則的には、銅箔と被覆材料の密着力は高い事と、レベル以上に高いか均一な事が望まれる。
問題にならない程に高い場合は別にすれば、均一な密着力が求められる。
密着力が弱い部分は、熱に対して気泡が発生し易いし、剥離も生じ易い。
また、被覆後に加工作業がある時は(普通だが)、その作業に耐える必要もある、加工は実用より条件が悪い事も多い。
具体的には、打ち抜きや穴明けや、露出部の表面処理や、加熱工程だ。
製造でも顧客で行う時でも、部品実装工程に耐える事は重要だ。
具体的な表面処理としては、研磨・防錆・表面荒し等がある。
それは被覆材料でも異なるが、被覆後の加工工程によっても異なる。
(2016/07/30)

銅箔の被覆材料の機械的性質

銅箔にも種類が存在する、多くの種類は耐折れ性や曲げ性や屈曲性等の機械的な性質は高い。
電子回路板の用途の物は、絶縁基材が機械的に強度があり、銅箔には強度を求めない用途もある。
一方では、薄型やフレキシブル回路や、多層の内部等で耐熱膨張性が要求される。
銅箔に折れ曲げの強度が必要な場合は、その被覆材料も同様に必要だ。
銅箔に対する防錆剤処理や、接着処理の多くは薄く、その性質を持つ。
ただし、メッキ被覆や各種半田処理はその材料自体が折れ曲げの強度が劣る。
どうしても必要ならば薄いメッキを行う。
金メッキは費用的と性能的とで薄付けを行うが、強度を考慮してニッケル等の下メッキを行う。
ニッケルメッキ膜は厚みも含めて、折れ曲げの強度が劣るので、これが必要ならば金メッキのみを行う。
見落としがちなのは多層回路のバイアホールで、半田接続や幾つかの方法は同じリスクがある。
(2016/09/23)

露出銅箔の表面処理工程

工程がここで述べられるのは、異様に見えるかも知れないが前提知識が必要だからだ。
基本は、非露出部の被覆処理後に露出部の表面処理を行う。
この工程では被覆物がマスキングとしても働く、従って表面処理作業に耐える必要がある。
例えば、液状印刷方式での被覆処理では、電子回路の銅のエッジ部が被覆が薄くなる傾向は多い。
そこのポーラスになり易い性質が加わると、部分的に絶縁性が劣ったり、電気めっき等でエッジ部に表面処理が付着する事もありうる。
また、露出部との境目では、薄いシミだしが起きる事が多いし、フィルム等の使用の時は接着剤がしみ出す事もある。
その部分は、設計上の露出銅箔部だが薄く被覆されている部分が境目に存在する事になる。
これが問題になる場合は、マスキング>露出部表面処理>マスキング剥離>被覆処理、とする。
ただしこの工程では、被覆部の境目の一部に表面処理が潜り込む事になる。
もしも用途が、半田付け等だとその追加処理時に被覆部の下に潜りこむトラブルが起きやすくリスクがある。
(2016/11/22)

銅箔の被覆処理の加工温度

銅箔の被覆処理の加工工程には、熱処理工程が存在する事が多い。
回路板の常用温度よりも高い製造温度での加工は材料を安定させる。
被覆材料や接着剤には、熱可塑性の材料が多い。
それらは、加熱と加圧で加工する事で安定な加工後の品質を得る事が出来る。
一度安定させた熱可塑性材料は、使用時のその温度以下の条件では安定な材料となる。
熱可塑性の材料では、加熱と加圧条件は幅があるが、使用時の安定性を考慮して上限を狙う。
加熱は酸化による変質と劣化も伴うが、加工工程での処理では避けたい。
その方法として、加圧処理とか真空(低圧)条件での加工とか、真空後の例えば窒素への置換で行う。
酸化を抑える加工と熱処理で、加熱安定性を得るが、酸化劣化は防ぐ。
被覆材料とその加工方法と技術は、回路加工状の重要な要素となっている。
(2017/01/22)

コネクター接触接点端子の設計の注意点

回路板と外部との接続は、長く半田付けが主流だ。
そこにウエット工程が不要の、接続方法が登場して多数使用されている。
その1つが、コネクターであり等間隔の接続端子を回路板に設けて挿入接続する。
それには「嵌め合い」という双方の精度が必要だが、双方の製造技術の向上で普及した。
「嵌め合い」は片方が精度が悪いと、他方に過剰な品質を要求し、回路加工メーカーとコネクター製造メーカーが対立し易い。
回路板を使用するエンドユーザーは、セットで問題なければ良いのだが仕様問題があると一番困る。
実際は、安価で精度が劣るコネクターは回路板に過度の精度を要求して、回路板の価格を安く出来ない。
回路板とコネクターをセットにした、選定でトータル価格低減と品質向上を目指す必要があるが、一般に知識は少ない。
嵌め合い仕様にはの注意点がある、それはインチ規格のコネクターとミリ規格のものがある事だ。
回路板の設計者が例えば、0.25と0.254を混用した場合は、端子数の端子数が多いと累積不良が起きる事がある。
(2017/03/23)

半田レベラー

半田レベラー処理は、溶融温度以上で半田を液状に融解させて、金属に付着させる。
披着体の金属を、半田槽に浸してから、垂直に引き上げる。
その時に付着した半田膜に、高圧空気を吹き付けて薄く均一にする。
プリント回路基板はフラット状態が普通なので、装置の形状設計が容易だ。
均一で薄い半田膜が形成出来るが、精密な厚みのコントロールは難しいし、半田溜まりが起きる事は避けがたい。
通常は1マイクロメーター程度の厚みであり、厚付けは難しい。
最大の特徴は、濡れ性の良い半田膜が作れる事で、溶融半田の特徴だ。
回路板では銅箔の防錆膜として、あるいは濡れ性の改善目的で使用される。
薄い材料やフレキシブル材料は高圧空気吹きつけ作業は難しいが、強度のある厚い材料・基材では標準処理だ。
処理時間が短く、従って安価に行える処理として有効性がある。
(2018/11/07)

半田リフロー

半田リフローは、溶融半田槽へのディップ作業をコンベア式の連続作業に置き換えた。
溶融半田槽を中心にした、前処理と後処理を含むコンベア式のラインを作り、回路板を流す。
処理の環境を一定にして管理する事で、基板発泡のトラブルや、半田の濡れのバラツキを抑える事が出来る。
ある程度の半田槽へ基板を通す時間が必要なので、基板の耐熱性や対半田性は必要だ。
現実的には、ガラスエポキシは問題はなく、ベークライト基板でも前処理を管理すれば問題はない。
ただし基板は軟化するので、補強板を兼ねる必要があり、強度のある厚さと材料が必要だ。
通常は半田槽から自然に引き上げるので、半田溜まりが残る傾向がある。
基板が強度が少ないとたわんで、半田溜まりが出来やすい。
半田の厚みコントロールが必要な用途には向かず、半田ペースト印刷に対して劣る。
穴挿入型の部品に対応するが、表面実装型の小型電子部品が普及するとやや用途が制限された。
(2018/12/08)

このページの先頭へ