角落から上手も攻勢の可能性もあります。
上手も下手も作戦の範囲が急激に広がり、見ても面白い展開が期待できます。
定跡は一応あります。1:下手振り飛車、2:下手矢倉です。
1は主に1A:三間飛車=古典定跡と、1B:中飛車とが多いです。
2:下手矢倉は、新しい定跡です。
しかし、下手は上記以外も選択できますし、上手はそれぞれに数え切れないくら
い多くの対抗策があります。
下手は、平手と同じ感覚の駒配置を目指します。
上手は、玉自ら守備に参加する囲い方を行い金銀の不足をカバーします。
そして、平手の角銀の攻め駒の代わりに、2枚の金銀を攻めに使用する指し方が主流です。
この他に、攻めを目指さない指し方や、飛の活用を主体にした力戦など作戦の幅は広いです。
古典本定跡と呼ばれる三間飛車定跡は、歩をつきあい位を保つ指し方で、手詰まり
になりやすい欠点があります。
下手が、作戦勝ちになる訳でもなく、明確な攻撃方法がないために次第に
採用が少なくなっています。
下手の陣形は、平手の振飛車の持久戦と同じです。
上手の玉形は、角落本定跡独特の囲いです。桂頭を玉で守のが特徴です。
欠点も多いですが、駒交換からの飛車の打ち込みには比較的に強いです。
上手の攻撃陣形は、平手の居飛車棒銀の銀が金になった形の様に見えます。
歩の交換をしながら、7>6>5筋と移動して5四金型を目指します。この形になると
本当に手詰まりになってしまいます。
その途中に下手が打開する必要がありますが、指導対局では上手が無理でも打開します。
勝負将棋になると、上手は無理な打開はしませんので、手詰まりになります。
このために、次第に下手の作戦から減少しました。
本局は、上手から打開した例ですが、上手の桂頭の継ぎ歩攻めは定跡です。
下手の攻めに無理があり、切れてしまいました。