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電子回路板の歴史
金属の中で一番電気抵抗値が低いのは「銀」です。
しかし価格が高いので、若干抵抗値的には劣りますが実用的には通常は問題のない「銅」が配線に使用されています。
「配線」とは理論的には、能動素子を接続するもので存在しないものです。
しかし現実には必要であり、電気回路から電子回路になる頃には無視できない存在になっています。
最初は銅の撚り線(絶縁物被覆)や単銅線(絶縁物ワニス被覆)などが使用されて、能動素子を直接に繋いでいました。
次に「マザーボード」と言われる中継用の板(ボード)を使用する方式が主体になりました。
このボードに、能動素子も載せる事はごく自然に行われるようになりました。形状的には、回路板と言って良い形です。
この方法は配線に自由度があり、現在でも少数生産やプロトタイプの試作に使われる事があります。
ただ量産的に同じものを大量に作るには効率が悪いです。
ここでボードに銅箔を貼り合わせて、配線を描く事が始まりました。
銅箔の貼り合わせではなく、銅や銀等のペーストの印刷で配線を作る方法も使用されています。
銅箔貼り合わせボードは、不要な銅箔を取り除く事で配線パターンを作ります。
通常は銅を溶解する液体を使用するエッチング方法が使用されています。
銅パターンを形成するには銅箔を絶縁体に貼り合わせる必要があります。
絶縁体にはおおよそに概念はありますが、低いとはいえ導電率は存在します。
これは条件によって変化します。
銅パターンは露出させて使用する事もありますが多くは、絶縁体の被覆を行います。
基材側の絶縁体が、リジット板と呼ばれる厚く硬い材料の場合は液状の被覆材料を塗布して乾燥・熱効果します。
絶縁体・導電体・被覆体は、回路板の材料設定で多種に別れます。この用途や設計上の材料の多様化が回路板の歴史のひとつです。
もうひとつが、銅パターンの層の数です。単層(片面)が出発ですが、2層(両面)、多層と拡がっています。
広義には、半導体形成プロセスや透明導電体のパターン形成も回路板といえます。
また立体回路(高周波数用)も回路板に入ります。
電子回路板の関連技術
とにかく、材料技術の重要さは一番です。
目的に合った回路板の製造には、目的に合った材料が必要です。
回路板は、全て複合材料ですから、単体材料技術とともに、材料の組み合わせ設計も非常に重要です。
材料と並び、加工技術。加工材料も重要です。回路板用に開発された技術・材料は数しれません。
回路板の普及には、量産技術が必要です。
一般に手作りの試作・プロトタイプからはじまって、量産用の専用ツールを作成し、それと汎用の設備等と組み合わせて製造設計を行います。
従って、1製品ごとの製品・製造設計技術が必要です。
そして、品質管理技術が需要です。回路板は全品検査が基本ですが、検査内容は多岐に渡ります。
抜き取り検査に置き換えられる判断とレベルを管理する技術は必須です。
回路板の製造方法は、複数有りますが熟成された技術と新規開発技術と組み合わせと、代替えは絶えず起きますしそれによって新しい可能性がうまれます。
電子回路板の課題
回路板の課題は、製造期間の短縮化が有ります。
ある完成品を設計する時に、一番最後に設計内容が決まるのが回路板です。
少なくても、理論的・電気的設計を最終の回路板設計に移行させるのは最後になります。
一方、完成品の製造工程のはじめに使用するのが回路板です。
最後に仕様が決まり、最初に使用する部品が回路板です。
主な部品のなかで一番短い納期で作る必要がある部品といえます。
回路製造業は、設計は行うか?>発注者の図面の実現の為の工程・材料・治工具等の設計は行いますが、あくまでも発注者図面の実現が目的であり、製品自体の設計は行わない。
従って、保有製造技術と受注製品との融合であり、1回しか行わない製造行為ともいえます。
従って、最終的には製品の数だけ課題があると言えます。