推理小説読書日記(2026/02)
2026年02月02日
古谷2時間版金田一ドラマ 全32作品レビュー<探偵堂>
2025年の資料集だ。副題は「記憶に残る名場面スケッチ」で、内容は題名どうりに「古谷一行主演のテレビ向け2時間ドラマの金田一耕助シリーズの合計32作の作品レビュー」となっている。 横溝正史原作は映画の他に、連続テレビドラマもあるが、通称「2時間サスペンス」に限定してレビューしている。長編も短編も、金田一以外の原作も同じ長さのドラマにしていた。
2026年02月02日
横丁の名探偵<>
2025年に編まれたアンソロジーで、「犯人当て小説傑作選」の2冊目だ。知名度の高い作品も多く収録しているので、既読作が多い。仁木悦子「横丁の名探偵」、石沢英太郎「アリバイ不成立」 、巽昌章「埋もれた悪意」、泡坂妻夫「ダイヤル7」、岡嶋二人「聖バレンタインデーの殺人」、中西智明「ひとりじゃ死ねない」、今邑彩「時鐘館の殺人」を収録する。
2026年02月02日
木曜日にはココアを<青山美智子>
2019年の連作長編だ。喫茶店「マーブル・カフェ」のココアから話が広がってゆく。物語の展開と広がりは、意外であるが、ミステリーではない。色をテーマにして、オーストラリア へと広がってゆく。
2026年02月02日
倫敦銀猫堂骨董綺聞<篠田真由美>
2025年の連作長編だ。主人公はマダムと呼ばれる骨董店「銀猫堂」オーナーと、そのメイドで元スリの16歳の私・マミコだ。それ以外の店絡みの雇われ人を含めて、秘密といわく付きの 人物が集まっている。その店とマダムに持ち込まれる仕事も裏がありそうなことばかりだった。題名どうりの綺譚集となっている。
2026年02月02日
陰獣<江戸川乱歩>
2015年の作品集で、新装版というのだろう。春陽堂江戸川乱歩文庫の1冊で、中編「陰獣」と、短編「盗難」「踊る一寸法師」「覆面の舞踏者」を収録して、落合教幸の解説がある。 「陰獣」は代表作で流石に面白い、50年前に最初に読んだ乱歩の作品で、再読になる。未読作品を主に読んでゆく積もりだ。
2026年02月02日
ガラスの棺<山村美紗>
1992年の作品で、電子書籍で読んだ。推理作家でテレビのキャスターでもある矢村麻沙子が主人公で探偵役でもある。事件は京都から始まるが広島から各地に広がる。各地の警察 の担当者が登場して、京都は狩矢警部となる、どれも概ね温厚だが、矢村が解決する展開から警察は無力に描かれる傾向が強い。
2026年02月08日
没後80年記念 探偵作家・大阪圭吉展<>
2025年に開催された「没後80年記念 探偵作家・大阪圭吉展」のために作られた資料集だ。「自筆資料から見る大阪圭吉」「本や雑誌から見る大阪圭吉」「交友関係から見る 大阪圭吉」からなり、加えて略年譜と資料集が掲載されている。。
2026年02月08日
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう その蔵はなぜ狙われる<山本巧次>
2025年の作品だ。大江戸科学捜査シリーズの1作で、主人公・関口優佳はタイプスリップで江戸と東京を行き来する。江戸で目明かしを行い、そこでの証拠を現代に持ち帰り 科学分析する。江戸の大きな蔵が襲われたが何故か不明で、さらに近くで事件が起きた。それらの関連を疑い捜査してゆく。シリーズ中ではミステリ度は濃い。
2026年02月08日
シュレディンガーの殺人者<市川哲也>
2025年の作品だ。主人公の私・田中永遠は編集者・怜と取材で廃校に忍びこんだ。そこにテロリストらが来て、怜が監禁されて、永遠はそこでの殺害を命じられる。だが、覆面探偵 が現れて犯人と指摘される。だが時間が巻き戻り、再度改良した殺害を行う。失敗しても何度も繰り返してゆくが・・・・。
2026年02月08日
死へのダイヴ<レオ・ブルース>
1962年の作品で、2025年に翻訳されて日本で出版された。主人公・キャロラス・ディーンは友人の作家のヘレナ夫人から頼まれて、滞在した館での2つの死を調べ始める。余命短い 老女の死は誰も利益がなく、館の住人らは疑惑を持っていた、さらに密室事件が起きていたのだった。
2026年02月08日
黒門町伝七捕物帖 第1巻<>
1951年の作品を復刊・単行本化した。副題は「京都新聞連載版」で捕物作家クラブ同人合作となっている。野村胡堂によれば、「黒門町の伝七は、捕物作家クラブの生んだ愛児である。 その性格は最大公約数的で、その知能は最小公倍数的であり、」となっている。第1巻には、21人の作家の26作が収録されている。
2026年02月08日
十津川警部 特急「しまかぜ」で行く十五歳の伊勢神宮<西村京太郎>
2015年の作品で、電子書籍で読んだ。題名どうりに十津川警部が登場するシリーズの1作だ。野々村は15歳の孫と「しまかぜ」で伊勢神宮を訪れて、かっての自分の15歳時に過ごした伊勢で 仲間らと会う。事件が起きて捜査する十津川は、戦時中を舞台にした小説「少年」を読み、事件の背景を知る。
2026年02月14日
闇の聖域<佐々木譲>
2022年の作品で、2025年に文庫化された。帯文によれば、「圧巻の警察サスペンス」となっているが、ジャンル予測不可能の作品だ。戦前の満洲国の大連が舞台で、主人公の刑事・河村が 東京から赴任したがすぐに事件が起きた。もう一人の主人公の中村小夜は画家だが病気で手が動かなくなつつある、そして不思議な青年と出会う、その正体は???。
2026年02月14日
満天キャンプの謎解きツアー<高野結史>
2023年の作品だ。副題または長い題名の残りは「かってのトム・ソーヤたちへ」で、アウトドアのツアー社「満天キャンプ」のガイド・天幕包助が探偵役だ。刑事・霧谷歩子が、事件 から社と天幕に知り合い常連となった。そこを舞台にして集まれるのは奇妙な人々であり、連作形式で謎が起きて天幕が解決してゆく、さらに連作長編として展開もしてゆく。
2026年02月14日
宇宙ランド2100<堀晃>
2025年に編まれた復刊作品集で、副題は「堀晃ジュニアSFコレクション」だ。短編「猫と交差点」「コンピュータ都市の幽霊」「ふるさとは宇宙船」「星空が消える日」「宇宙ランド2100」 と、長編「地球は青い宝石」を収録して、加えて小松左京脚本「幻のSF人形アニメ」の資料を掲載した。
2026年02月14日
怪盗ニック対女怪盗サンドラ<エドワード・D・ホック>
2004年の作品集で、それを中心にして2004年に翻訳されて日本に紹介された。価値のないものを盗む怪盗ニックの作品集の4冊目だ。ニックのライバルとして女怪盗のサンドラ・パリスが 登場して、その短編10作を収録する。ライバルの二人だが、次第に相手を認め合い、さらに互いを助けたり、さらには協力したりと、その関係は変わってゆく。
2026年02月14日
いで湯特急南紀・大和路殺人事件<荻原秀夫>
1987年の作品だ。警視庁捜査1課1係殺人班主任・天海博史警部とその班の7人の刑事らが中心の捜査陣だ。題名と事件はほとんど無関係で、東京の事件と、奈良県の村での2つの事件を それぞれの警察が追うと、犯人と被害者に繋がりが見つかってゆく。多人数の警察関係者が登場して、その中心として天海班が活躍する。
2026年02月14日
Carr Graphic vol4<>
2025年の対談型資料集だ。カーの全作品を投票順位ずけしたり、順次舞台の土地・建物等をイラスト化して、語り手らが対談でそのマニュアックな知識で個々の長編を語ってゆく。 後半には「ネタバレ領域」もあるが、情報量に圧倒されながらも読者のそれぞれの読書歴の範囲内でも楽しめるようになっている。
2026年02月20日
もっと声を!<戸川昌子>
1968年の作品だ。本格味もあるが、犯罪小説・復讐小説・幽霊話・サスペンス小説等の味が強い。第二次世界大戦後の日本での事件を背景にして、それから一世代後の時代に起きた、 犯罪を描く。戦後に誕生した多数の混血児たちと捨てられた様な生活と、その複雑な生い立ちは、人生を変えてゆく。親とその家族らは、その後に捨てたはずの過去に巻き込まれてゆく。
2026年02月20日
闇の金魚<陳舜臣>
1977年の作品だ。中国では清朝後の革命時代に、色々な勢力が各地で活動して対立した。主人公・童承庭は豪家・永の支援で成長して、日本に留学した。そこで革命家に巻き込まれてその 活動に加わる。帰国して永の店で働くが、スパイとしての活動した。だがどの組織と活動とメンバーにも、謎が秘められていた。
2026年02月20日
亡霊の柩<吉田恭教>
2018年の作品だ。私立探偵・槙野康平と刑事・東條有紀とが主人公のシリーズの1作だ。槙野は6年前に失踪して死亡した人物の調査を依頼された。調査で戸籍乗っ取り事件を見つけて、 東條に連絡した。東條ら警察が捜査すると、その先に槙野が警察を退職した未解決事件への関連が浮かんできた。
2026年02月20日
法隆寺の殺人<篠田秀幸>
2001年の作品だ。精神科医・弥生原公彦が探偵役のシリーズの1作だ。法隆寺と聖徳太子とその時代に絡む歴史ミステリと、その研究者が絡む現代の事件を描く。記述者は私・作家の 築島龍一だが、その多くが登場人物の一人の手記で、その結果で途中で「私」が変わることになる、かなり間違いやすい。さらに手記には書かれる目的もある。
2026年02月20日
戦国女刑事<横関大>
2023年の連作長編で、2026年に文庫化された。女性ばかりの捜査1課が舞台で、さらに登場警察官に戦国時代の人物たちに似た名前が付けられている。それぞれの係ごとに事件が 描かれて、そこに捜査課内部の対立構造が絡んでゆく。最後にそれが大きな全体の事件につながってゆく、連作長編となる。
2026年02月20日
耳すます部屋<折原一>
2003年の作品集で、電子書籍で読んだ。個別の短編集で、「耳すます部屋」「五重像」「のぞいた顔」「真夏の誘拐者」「肝だめし」「眠れない夜のために」「Mの犯罪」「誤解」 「鬼」「目撃者」を収録する。ジャンル的にも多彩で、ホラー気味も多い。
2026年02月26日
甘い罠<鏑木蓮>
2013年の作品で、2016年に文庫化された。料理研究家・水谷は糖尿病の父の影響で、糖質制限食をレストランのメニューに考えた。だが依頼主の社長と意見が対立して、和食の 著名料理人と料理対決を行うことになった。そして審査員の4人は、それぞれの立場で反応した。
2026年02月26日
台北アセット<今野敏>
2023年の作品で、2025年に文庫化された。警視庁公安部外事課・倉島達夫が主人公のシリーズの1作だ。倉島は、後輩の西本と共に台湾警政署に行き研修の指導を行った。そこで日系 企業の幹部から依頼されて、サイバー攻撃の捜査をはじめると、殺人事件が起きた。ことばと現地警察人との障害の中で、一部の支援者と共に捜査を進める。
2026年02月26日
人間椅子<江戸川乱歩>
1923年頃の作品で、2015年に再編集文庫化された。収録作は「人間椅子」「夢遊病者の死」「人でなしの恋」等の短編が10作だ。大正14年頃の乱歩が短編を多く執筆していた頃 の作品だ。乱歩が兼業作家から、東京に移ってゆく頃で、既に知名度は高く連載も抱えていたという。
2026年02月26日
悪霊島<香山滋>
2025年に再編集で復刊された作品集だ。「人見十吉秘境小説集成2」で、長編「悪霊島」と、短編を10作を収録して、香山没後の追悼特集の資料も収録した。人見十吉が主人公の シリーズ作は、2冊の集成で全てカバーされている。「悪霊島」はジャワ近くの島の謎に人見が関わってしまう事件を描く。
2026年02月26日
公開処刑人 森のくまさん<堀内公太郎>
2012年の作品だ。公開処刑人「森のくまさん」という、ネットに犯行声明を発表する連続殺人鬼がいた、被害者は悪党ばかりだったのでネットでは指示者が多かった。捜査本部は 捜査するが解決せずに、犯行は繰り返された。一人の刑事の捜査と、その妹の高校生とその周辺とが並行して描かれてゆく。
2026年02月26日
京都茶道家元殺人事件<山村美沙>
1987年の作品で、電子書籍で読んだ。キャサリンが探偵役で浜口がワトソン役のシリーズの1作だ。キャサリンは茶道を習いはじめて道具を揃い始めた。その家元・桃山家で殺人事件が 起きて、キャサリンらは近くにいた事もあり、その捜査にも関わる。複雑な内情の家元でさらに次々と事件が起きてゆく。
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2026/02に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。