推理小説読書日記(2025/06)
2025年06月01日
壁から死体?<ジジ・パンディアン>
2022年の作品で、2024年に翻訳されて日本に紹介された。副題が「<秘密の階段建築社>の事件簿」で、秘密の仕掛けを家に作る専門会社が舞台だ。主人公のテンペストは奇術師だが 舞台で失敗して休業になり、実家の<秘密の階段建築社>を手伝うことになる。だが仕事先の建築物の壁から死体が見つかる。
2025年06月01日
獅子神の密命<今野敏>
1983年の作品で2011年に改題しての復刊された。ジャズピアニスト・橘は突然にアメリカから招待状を受けとった。その時から橘の周囲に奇妙なことが次々と起こり始める。 そこから音楽小説から、幻想・伝奇・歴史・SF小説が絡み合った不思議な物語が展開してゆく。
2025年06月01日
解<堂場瞬一>
2012年の作品だ。大学同期の大江と鷹西はそれぞれの夢を持って異なる世界に進んだ。大江は大蔵省にはいり、代議士の父の死後にあえて事業を起こしてIT社長となり、その後に 代議士を目指した。鷹西は新聞記者となり、新人賞を取るが伸び悩んだ。その後に大江は新興勢力の党の中心になってゆき、鷹西はジャンルを変えて有名作家になってゆく。
2025年06月01日
勇士は還らず<佐々木譲>
1994年の作品で、2011年に文庫で復刊された。アメリカで日本男性が射殺されて、妻子がその地にゆくが、複数の友人らも行く。現地の捜査官は聴取するがほぼ黙秘状態だった。 そもそもなぜに友人らが多数、遠い地に集まったのかが疑問だった。物語は人々の過去の事件への関わり方を描いてゆく。
2025年06月01日
あなたにここにいて欲しい<新井素子>
1984年の作品で、2012年に復刊で文庫化された。小学生からの知人の真美と祥子は、育った環境も性格も異なるのだが互いを知り尽くしている間だと思っていた。成長しても その関係が続くと思っていたが、カウンセラー・綾子が登場して、2人の関係が変わってゆく。
2025年06月01日
迷犬ルパンと幽霊海峡<辻真先>
2003年の作品で、電子書籍で読んだ。迷犬ルパンのシリーズの1冊だ。校内暴力が盛んな東西中学の修学旅行が瀬戸大橋のルートと、青函トンネルの北と南に分かれていた。 おとなしい文成中学の修学旅行は瀬戸大橋で東西中学の南ルートと重なった。トラブルを心配したルパンらは神戸に向かった。南北のルートを繋ぐ事件が始まる。
2025年06月07日
龍のはらわた<吉田恭教>
2023年の作品だ。元刑事の私立探偵・槙野康平と、警視庁捜査1課強行犯刑事・東條有紀とが主人公のシリーズの1作だ。本作では弁護士・高坂が槙野と共に事件を追う。 槙野の同僚の捜査員・早瀬未央が辞めてさらに失踪した。早瀬は家族を殺害した犯人を追っていたとわかり、槙野は捜索を開始する。
2025年06月07日
飛鳥高探偵小説選6<飛鳥高>
2022年に出版された再編集の作品集だ。長編は収録せずに、1961年以降の雑誌「推理ストーリー」「推理」「小説推理」に掲載された中編と短編を中心に、編まれた 作品集だ。商業出版では単行本初収録の作品が多数、収録された。さらにアンソロジーに収録された掌編と、随筆と、飛鳥の長女のエッセイが収録されている。
2025年06月07日
家政夫くんは名探偵! 冬の謎解きと大掃除<楠谷佑>
2019年の作品集だ。刑事・連城怜と家政夫・三上光弥が主人公のシリーズの2作目だ。短編3作が収録されている。連続放火魔事件で、連城の隣人らが関係する。次の事件では 三上の大学の友人らが関わった事件が登場する。最後に元刑事・文月とその家族が絡む事件が登場する。
2025年06月07日
ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎<ジル・ウオルシュ>
1995年の作品で、2023年に翻訳して日本で出版された。カレッジの保健師のイモージョン・クワイが主人公のシリーズの2作目だ。数学者の伝記の執筆がなぜか途切れていた。 業績の少ない学者だが、経歴に不明な時期があるようだった。それを省いて伝記を完成させたい家族と、全てを書きたい執筆者の思わくが混乱を増やす。
2025年06月07日
夏の殺し屋<石持浅海>
2025年の作品集だ。「殺し屋」シリーズの4作目で、短編・中編5作を収録する。殺し屋・富澤が登場する作品と、女殺し屋・鴻池が登場する作品が、交互に収録されている。 中編「夏の殺し屋」は冨樫が受けた依頼と、鴻池が受けた依頼が交差する、夏休みの間の殺し依頼だが、二人はそれぞれその意味を推理する。
2025年06月07日
未踏峰<森村誠一>
1995年の作品で上下の2分冊になっている、電子書籍で読んだ。4人の若者は八ヶ岳登山中に道に迷った女性4人組を助け、安全のために一人の男が一人の女性をエスコート して下山した。4組のカップルは再会を約束するが、それぞれの事情で複雑な展開を示してゆく。登山家、小説家、バーテン、刑事になった男らと、別の道に進む女性らの 繋がりと行方を、最後のヒマラヤ登山までへと描いてゆく。
2025年06月25日
江戸の闇風<山本巧次>
2018年の作品だ。副題が「黒桔梗裏草紙」で、主人公の常磐津の師匠・沙夜が仲間の彦次郎や鏑木左内らと、泥棒という裏稼業を持っている。巻き込まれた事件を調べると、大金が 動いており、それを奪う計画を立てる。そして沙夜自身も裏技を持つことがわかる、「必殺」稼業だった。
2025年06月25日
妖刀地獄<夢野久作>
1920-40年頃の作品を、再編集した復刊の作品集だ。ここでは夢野が書いた時代小説が集められている。編者は解説で入門に向いているとも書いているが、 見た目は普通作に見えるのだが、なぜか個人的に難解で読みづらかった。
2025年06月25日
ムゲンのi<知念実希人>
2019年の作品で、2022年に文庫化された、上下2冊だ。主人公の私・女性医師・識名愛衣は奇病・イレスの患者と関わるうちに、それが次々起きている猟奇事件と絡むことにきずく。 そのなかで、23年前の少年による通り魔事件とも関わるとわかってゆく。それに主人公の父親も絡むことがわかってきて、ますます混迷する。
2025年06月25日
名探偵と学ぶミステリ<杉江松恋>
2025年の本で、副題が「推理小説アンソロジー&ガイド」だ。名探偵のパスティシュ・パロデイ短編が8作掲載されて、「編者のおすすめ本」「ガイド」「ミステリをもっと学ぶ豆知識」 が合間で語られている。ホームズ>楠谷佑、ルパン>辻真先、ポワロ>斜線堂有紀、マープル>水生大海、クィーン>青崎有吾、ウルフ>阿津川辰海、ボンド>福田和代が登場する。
2025年06月25日
小京都連続殺人事件<山村美沙>
1988年作品で、電子書籍で読んだ。キャサリンと浜口のシリーズの1作だ。キャサリンが「漆」という名の人物が全国の異なる場所・小京都で死亡している新聞記事に気づいて、 関連性を疑い、狩矢警部に調査を頼んだ。その後にさらに各地の小京都で同様の事件が繰り返されてゆく。
2025年06月25日
十津川警部 神話の里殺人事件<西村京太郎>
2008年の作品で、電子書籍で読んだ。ある人物が、退職した警視庁刑事部長宛の遺書で殺人したと書き残して自殺した。十津川と亀井刑事が調べ始めると、神話の里に旅行していた。そこで全国各地の事件を探し始めた。その中でその人物の家で強盗傷害事件が発生する。さらに次々と事件が発生する。
←日記一覧へ戻る
2025/06に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。