推理小説読書日記(2025/01)
2025年01月02日
早房希美の謎解き急行<山本巧次>
2020年の連作作品集で6話からなる。東京池袋と、青梅と埼玉の熊谷を結ぶ武州急行電鉄を舞台にして、そこの社員・希美が社内のトラブルを解決してゆく。 路線図と停車駅図、さらに時刻表が加わり、都会と郊外の電車での鉄道ミステリだ。。
2025年01月02日
読んだら最後、小説を書かないではいられなくなる本<太田忠司>
2024年のエッセイだ。作者が主に大学で教えた時のノートを元にして、小説を書くために必要なことや知っていたほうが良いことをまとめたエッセイだ。 ショートショートから始まり短編から長編と広がって行く。ショートショートでは実作例が示されている。
2025年01月02日
密室は御手の中<犬飼ねこそぎ>
2021年の長編で、2024年に文庫化された。いきなり女探偵が登場して依頼で、新興宗教の団体の建物に行く。そこは過去に密室から人物が消失した伝説があった。 人探しが目的だが、そこでは次々に密室事件が起きて、探偵は密室を含めた謎を解くことになる。
2025年01月02日
結婚って何さ<笹沢左保>
1960年の作品で、2022年に復刊された本で読んだ。有栖川有栖がイントロで紹介して、さらに読後にトリックに踏み込んで解説する。主人公ともう一人のOLが 上司と喧嘩して会社を辞める。だが密室で死体を見つけて逃亡する、逃げながら調べると他にも事件が浮かび上がる。
2025年01月02日
遺骨<内田康夫>
2003年の作品で、電子書籍で読んだ。浅見光彦シリーズの1作だが、その行動はいつもよりは変だ。脳死判定問題と臓器移植問題を前に、それを悪用する悪を 設定して、賛否の難しい問題に対して、悪と信じることに当たり散らして動き回る。
2025年01月02日
黄金流砂<中津文彦>
1984年の作品で、電子書籍で読んだ。奥州・平泉の藤原氏と源義経と鎌倉の対立、されにはその歴史とその裏側が並行テーマだ。義経は平泉で死んでいなくて、 北へ逃げたとする、義経北方説の研究者が死ぬという現代の事件の捜査が描かれる。その背景に歴史の謎が絡まる。
2025年01月08日
少女は夜を綴らない<逸木裕>
2017年の作品だ。中学生の山根理子は加害恐怖症になり、それを吐き出すために「夜の日記」の殺人計画を書き続けた。理子は悠人からその秘密を脅されて、さらには 悠人の父への殺人への加担を要求された。だが秘密が同級生に知られ、ホームレス死亡事件が起きる。
2025年01月08日
熔果<黒川博行>
2021年の作品だ。大阪府警刑事・堀内と伊達は、不祥事で退職になった。堀内は刑事時代の足の怪我でひっそり暮らすが、企業の調査員になった伊達に協力して不動産 立ち退き事案を担当する。すると次々に不審人物が浮かび、不審な裏ビジネスが絡むことがわかってくる。ついには暴力沙汰も加わるが動きまわって行く。
2025年01月08日
放課後ミステリクラブ5 龍のすむ池事件<知念実希人>
2024年の作品で、ジュブナイルのミステリだ。小学校のミステリクラブを主人公にしたシリーズの5作目だ。陸、天馬、美鈴はミステリクラブを作り、顧問の真理子先生 らと知り合った友人らと事件を解決する。小さな池の中に龍が見えた事件、密室状態の部屋からおかしが消えた事件を解決する。
2025年01月08日
謎解き広報課 わたしだけの愛をきめて<天祢涼>
2024年の作品だ。地方自治体の高宝町で新入役場員の新藤結子が悩みながら広報誌を発行したのが1冊目だ。2年目の活動の中で町を広域地震が襲った。3冊目はそこから はじまる。町長自ら職員を集めて対策に走り、少し落ち着き次第に元の仕事に戻り始めるが、新藤は何をするのか悩む。広報は町を救うのだろうか。
2025年01月08日
汚れた手をそこで拭かない<芦沢央>
2020年の短編集で、電子書籍で読んだ。連作ではなくて、独立した短編5作を収録する。テーマ的には日常の謎になるのだろう。ただし、悪意が強く浮かび上がる作品が 多く、ハートフルではない。人間は不完全であり汚れとなって表に出る、それは洗い落とせるのだろうか。
2025年01月14日
占魚亭事件<鮎川哲也>
1965-1969年の短編作品で、2024年に再編集されて文庫で出版された。短編集の中には短編集単位で出版されることも多いが、鮎川の短編集は度々に独自編集で発行 されてきた。故に個々の短編では本になることが多い作品と、知られざる作品が生まれる。この本は後者を集めた短編集だが、表題作は特にレア作だ。
2025年01月14日
インサート・コイン(ズ)<詠坂雄二>
2012年の作品集で、2016年に文庫化された。主人公はゲーム誌のライターで、現実に存在した名作ゲームを素材にした青春小説だ。ただし、パソコンおたくだがゲーム とは縁がなかった者(私)には、名前くらいしか知らないゲームを誰もが知っているとして書かれているので、内容は理解が難しかった。
2025年01月14日
石礫 機捜235<今野敏>
2022年の作品で、2024年に文庫化された。町を車で巡回していて、事件が起きると最初に駆けつけて対応して、その後に到着する担当部署に引き渡す部署・機動捜査隊が 主人公だ、次々に事件に関わり、すぐに離れるので、短編向きかもしれず、1作目は短編集だった。2作目の本作は長編で、捜査にも関わる設定がなされている。
2025年01月14日
ベローナ・クラブの不愉快な事件<セイヤーズ>
1928年の作品で、1995年に翻訳されて日本で出版された。貴族の探偵・ピーター卿の4作目だ。ベローナ・クラブには色々な会員が集まるが、そこで老将軍が死体で 見つかるが、しばらくは誰も気づかなかった。ピーターは死亡時間を特定する事から始めるが、それ自体が大変だった。だが死亡時間のよって遺産相続が大きく変わる状況 だった。
2025年01月14日
三毛猫ホームズの降霊会<赤川次郎>
2005年の作品で、電子書籍で読んだ。三毛猫ホームズ・シリーズの41作目だ。法律的には証拠にならない降霊会だが、希望する人物がおり片山兄妹とホームズも参加する。 降霊会が行われるのは後半だが、充分に長く様子が描かれる。思惑がある人物らの中で、霊媒は出来ないことは否定して行く。
2025年01月20日
神様の次くらいに<久住四季>
2024年の作品集だ。副題が「人の死なない謎解きミステリ集」で、日常の謎のミステリ短編集で、短編5作を収録している。作者自身の「あとがき」が詳しく作品を紹介して いる。探偵・凛堂と作家・月瀬コンビの「小さいものから消えよ」があり、「星読島・・・」のグロウの登場作もある。表題作が、一番の日常の謎といえるミステリだろう。
2025年01月20日
命みじかし恋せよ乙女<辻真先>
2024年の作品だ。大正初期に「むの字屋敷」で富豪が「番長皿屋敷」を上演を計画する、それを記者・可能勝郎が取材に行く。上演日に死体が見つかり、消える。さらには多数の 目の前で殺人が起きる。勝郎と探偵小僧・明智少年が調べ始める。古い時代の芝居やドラマ制作を描く作者・辻が、「以心伝心」という架空設定で描く本格ミステリだ。
2025年01月20日
スティームタイガーの死走 大列車殺人<霞流一>
2001年の作品だ。玩具会社社長が幻の蒸気機関車を復活させて、中央線で東甲府駅から東京に向けて走らせようとした。だが、駅で死体が発見され、さらに出発した 蒸気機関車が消えた。駅の関係者らと、列車の乗務員らや乗客らの様子が並行して描かれて行く。乗り合わせた探偵・蜂草は解決できるか。
2025年01月20日
螺旋の手術室<知念実希人>
2009年の作品で、2013年に文庫化された。医科大学の教授選候補が、連続して謎の死をとげた。そのひとりは医師の一家であり、息子の医師が父の死の真相を調べ始める。 原因は、病院内部にあるのか、あるいは大学と教授選にあるのか、あるいは家族内にあるのか。どれも医療関係になる、医療ミステリだ。
2025年01月20日
十津川警部「吉備古代の呪い」<西村京太郎>
2009年の作品で、電子書籍で読んだ。十津川警部シリーズの1冊だ。だが岡山の地方新聞に掲載された、郷土作家が書いた「吉備 古代の呪い」という小説が全体の 半分程度を占める。その意味でが歴史小説だが古代だから架空とも言える。その小説を含めた、愛好家サークルとそこでの争いが絡む事件が後半に描かれる。
2025年01月26日
堕天使拷問刑<飛鳥部勝則>
2008年の作品だ。2023年に再版されたが実質的には復刊だ。魔術で呼んだ悪魔が起こした殺人の噂がある、さらには首切り事件が起きる。そんな呪いの町に転校した少年は 色々な風習や人物や事件やいじめや・・に出会う。そこで出会った不思議な少女に出会い惹かれる。だが彼女自身がまたもや謎でもあった。
2025年01月26日
聖刻 警視庁総合支援課0<堂場瞬一>
2024年の作品だ。総合支援課・柿谷晶シリーズの1冊だが、本作は柿沼が捜査1課の刑事だった時の事件であり、シリーズ0とされている。捜査員時代の柿沼は後の上司の 三浦や先輩の村野らと出会い、加害者家族と接する。だが動機や事件の隠れた背景を探ると、被害者家族と出会い、その間で悩んでゆく。
2025年01月26日
時の残像 凍結事案捜査班<麻見和史>
2024年の作品だ。未解決事件を担当する凍結班の老刑事の藤木靖彦が探偵役のシリーズの2作目だ。現在の事件の捜査本部で、過去の事件が関わると思われた場合に要請を受けて 参加する。凍結班は担当する過去事件を捜査するうちに白骨死体を発見して、過去を中心に事件が広がってゆく。
2025年01月26日
首断ち六地蔵<霞流一>
2002年の作品で、2005年に文庫化された。寺社捜査局所属の魚間岳士が語り手のシリーズだ、六地蔵の首が持ち去られる連続事件を調べる。霧間警部や住職の風峰が 加わり、そのたびにそれぞれが推理してゆく。混沌としてゆくなかで、もう一人の探偵役の蜂草輝良里が登場する。
2025年01月26日
軽井沢殺人事件<内田康夫>
1990年の作品で、電子書籍で読んだ。内田作品の探偵役の、浅見光彦と竹村岩男警部が双方登場する。一部に出会う場面はあるが、特には協力するでもなく、競い合う 訳でもなく、複数の事件の一部ずつをそれぞれの立場で調べる展開だ。もう一人の影の捜査員の存在があり、全体の事件が大きすぎる感が強い。
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2025/01に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。