推理小説読書日記(2024/09)
2024年09月04日
第一話<石持浅海>
2015年の作品集で、副題が『石持浅海「連作短編集・第一回」コレクション』だ。作者の過去の連作集の第1話を9作集めた作品集だ。これが編めるのは 、1話が短い短編集が多く、さらに連作集が多いという条件が重なる作者だ。流石に既読作品も多い。
2024年09月04日
錆びた滑車<若竹七海>
2018年の作品だ。ミステリ書店の店員でしかも女探偵の葉村晶が主人公のハードボイルドだが、タフなつもりが徐々に体力的に落ちている。書店仕事でも探偵 でも、プライベートも次々に依頼やもめごとに巻き込まれる。不運な探偵さが加速してゆく。
2024年09月04日
ジゼル<秋吉理香子>
2017年の作品だ。バレー団に所属する主人公・如月花音は、バレー団が久しぶりの演目「ジゼル」の配役が決まり準備と練習に入る。配役でギクシャクして、 さらに前回の同じ演目での死亡事件があった事が話題になり、さらにその事件での幽霊の目撃が起きる。
2024年09月04日
フョードル・ミハイロヴッチの四つの死と一つの復活<ジブコブッチ>
2023年の作品で、2024年に日本語に翻訳された。解説によると、主人公はドフトエフスキーであり、その作品を引用が多数登場するようだ。それは個人的に は理解は無理だ。原典を知らない事に加えて、架空の設定が加わるので、理解は難しい。
2024年09月04日
屋上のテロリスト<知念実希人>
2017年の作品だ。世界大戦後に東日本と西日本に別れた日本を舞台にする架空世界のサスペンスだ。70年後に、東西日本の平和統一の動きが起きるが、 片方の武力統一の動きもあり、さらには外部からの動きもある。その中で主人公・佐々木沙希は色々な組織と人物を巻き込んでの作戦を起こす。
2024年09月04日
鼠、嘘つきは役人の始まり<赤川次郎>
2016年の作品集で、電子書籍で読んだ。江戸時代に鼠小僧・治郎吉とその妹・小袖が色々な事件で活躍する時代小説だ。小袖は兄を超える剣術の達人の キャラで、加えて医師の達人・千草も活躍する。豪華なキャラクターの連作となって続いている。
2024年09月10日
夜の挽歌<鮎川哲也>
2024年に出版された再編集の短編集だ。副題は「鮎川哲也短編クロニカル 1969-1976」で、シリーズ以外で最近の文庫短編集には未収録の作品を集めている。 表題作は文庫初収録作だ。この時期には倒叙ミステリ作が多い。
2024年09月10日
法医昆虫捜査官<川瀬七緒>
2012年の長編で、2014年に改題されて文庫化された。異様な死体にであった警視庁は法医昆虫捜査官の参加を決めた。岩楯警部補と鰐川刑事は奇妙な研究者の 赤堀涼子に調査を依頼する。3人が捜査して、さらにそれぞれが事件を追う。赤堀は危険な真相に近ずいて行く。
2024年09月10日
灼熱<秋吉理香子>
2019年の作品だ。川崎咲花子は夫が死にさらに詐欺容疑があると鎌田刑事から聞く。さらに夫殺しの容疑者・久保河内英雄が不起訴になった。咲花子は 名前と顔を佐藤絵里に変えて、復讐のために英雄の妻になる。
2024年09月10日
大江戸奇巌城<芦辺拓>
2023年の作品で、2部13話からなる伝奇時代小説の長編だ。1部の中の3話は個別にアンソロジー等に発表されている。1部では5人の少女が個別に登場して 能力を発揮する。2部では江戸で武力闘争により反乱計画が行われる、終結した少女たちがその計画の阻止に立ち上がる。
2024年09月10日
室蘭地球岬のフィナーレ<平石貴樹>
2024年の作品で、函館方面本部・舟見警部補らの捜査にフランス人学生のピエール・プラットが名探偵として真相を見つけて助けるシリーズの4作目だ。 オーソドックで地味な本格ミステリのシリーズであり、最近では少数派とも言える。帰国していたピエールが日本に来て、膠着した状況を即時に解決する。
2024年09月10日
怪盗の伴走者<三木笙子>
2015年の連作集で3作からなる、電子書籍で読んだ。明治の文明開化時を舞台に、怪盗ロータスこと蓮と、検事・安西省吾が関わった。幼馴染の頃からの 話からはじまり、成長とを時代の変化と共に、安西が検事なってからまでの3話で描く。
2024年09月10日
出雲殺意の一畑電車<西村京太郎>
2011年の作品で、電子書籍で読んだ。松江と出雲を結ぶ一畑電車は、当時に日本で一番長い駅名だった「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅」の 名誉駅長を募集した。就任したのは元有名俳優だと判り、広告活動で話題になったが、殺害された。動機をさがして十津川が捜査を始める。
2024年09月16日
風に散る煙<ピーター・トレメイン>
2001年の長編で、2024年に日本に翻訳・上下2巻で紹介された。西暦7世紀のアイルランドを舞台にしたミステリのシリーズの1作だ。主人公の修道女・ フィデルマと相方の修道士・エイダルフが旅行移動中に嵐で別の国に着く。そこでの事件捜査を依頼されるが、当然に周囲に協力者はいなかった。
2024年09月16日
優しい死神の飼い方<知念実希人>
2013年の連作集で、2016年に文庫化された。死神が左遷されて犬の姿でホスピスに現れた。そこでは、次々と事件や謎が起きるが、それを左遷された 死神が解決してゆく。自身の左遷の謎にも関わって行く事になる。
2024年09月16日
源氏供養<森谷明子>
2024年の作品で、副題が「草子地宇治十帖」だ。作者が紫式部を主人公にしたシリーズ「千年の黙」「白の祝宴」「望月のあと」に続く、完結編になる ようだ。作中で香子(紫式部)も死に、その娘や元侍女がその残された書等の謎に関わって行く。さらに源氏物語全体の謎の解釈が描かれる。
2024年09月16日
帝国の弔砲<佐々木譲>
2021年の作品で、2023年に文庫化された。東ロシアに生まれた日本からの移民の子・登志矢が主人公で日露戦争からロシア革命、さらに世界大戦と その後の世界を色々な形で生き抜く。ただし、歴史的には変えられている世界だ。帝国の変化の中で抑えられ続けられる主人公の冒険小説だ。
2024年09月16日
名探偵のはらわた<白井智之>
2020年の連作長編で、電子書籍で読んだ。4つの事件を、愛称「はらわた」こと原田亘と、その上司?の探偵が取り組む。事件は大量殺人であり、探偵 も死ぬがまた別の形?で登場する、特殊設定ミステリだ。濃密な推理が重なって次々と登場するが、真相は?。
2024年09月16日
とり散らかしておりますが<新井素子>
1994年のエッセイ集で、2022年に電子書籍になった、それを読んだ。作者の最初期の短いエッセイを集めた。ミステリやSFに限らず、作者自身の事を 書きつずっている。方向音痴、むいぐるみ、ワープロ、読書、授業、その他がめんめんと語られてゆく。
2024年09月22日
日本ハードボイルド全集6<都筑道夫>
1960年の連作集「酔いどれ探偵」と、1978年の連作集「二日酔い広場」からなる、2021年の合本で文庫版全集の6巻目だ。「酔いどれ探偵」はカート・ キャノンの翻訳に見せて書かれて後に創作として本になった。「二日酔い広場」は久米五郎が主人公の私立探偵ものだ。
2024年09月22日
息子のボーイフレンド<秋吉理香子>
2021年の作品で、帯では「ホームコメディ」となっている。母は息子から青年との恋を打ち明けられた。母、その息子、母親の友人の相談相手女性、 母親の夫、そして息子の相手の青年、が章題となる5章からなるLGBTのコメデイだ。
2024年09月22日
ベーシックインカム<井上真偽>
2019年の短編集だ。技術が進化した未来を想定したSF集だ。ミステリとうたわれているが、その辺は微妙だ。短編故に、思いきった設定や状況を 切り取って描くことが可能になる。長編になると多くの説明が必要で、矛盾が多くなりそうだが短編では避けれる。
2024年09月22日
撮ってはいけない家<矢樹純>
2023-2024年に雑誌連載された長編だ。ホラーミステリとされているが、ホラーだ。ホラー映画の撮影を、ホラーの噂と過去がある家で行う。そこで 色々とトラブルが起きる。それを女性ディレクターが調べて行く。後半が急に速い展開になる。
2024年09月22日
悪魔よ眠れ<九鬼紫郎>
1959年の作品で、国会図書館デジタルコレクションで読んだ。新聞記者・白井青児が主人公だ。刑務所にいる心霊術師が関わる謎を追い、その娘と 会い関わる。降霊会と悪魔を名乗る人物が登場する中で、心霊術師が死ぬ。
2024年09月22日
菊池伝説殺人事件<内田康夫>
1990年の作品で、電子書籍で読んだ。浅見光彦は行く先のあちこちで、菊池一族に関する事に出会う。過去から日本各地で歴史的にも関わる一族 だった。たまたま出会った女性を始め、各地の事件を捜査する刑事たちと共に、思い付いた捜査を継続する。
2024年09月28日
哀愁しんでれら もう一人のシンデレラ<秋吉理香子>
2020年の作品だ。映画「哀愁しんでれら」を原案にした別の小説だ。シンデレラに憧れた市役所職員・咲良、子供・カオリを持つ開業医・孝太、 そしてカオリ、の3人の視点で描かれる。ちぐはぐ展開は、4巡目についに入って行く。
2024年09月28日
戦場ミステリ集<有馬頼義>
1970ー1983年の作品で、2024年に再編集されて、作品集として出版された。戦争が舞台なのは架空ミステリとは呼ばないだろうが、日常の世界とは 別のルールがある。5短編からなるが、どれも中国と満州を舞台に戦時を描く。
2024年09月28日
ビギナーズラック<今野敏>
1988年から2008年の作品を集めて2011年に出版された。2024年に復刊された。作者初期の作品が中心であり、ミステリではなく、色々な内容の作品 が集められている。警察小説として倉島警部補シリーズの短編がある。
2024年09月28日
忍者に結婚は難しい<横関大>
2022年の作品で、2024年に文庫化された。現代に生きる忍者を主人公にしたミステリで、架空設定に入るのだろう。現代的な武器も使うが、手裏剣 等も使う。政治や公務員に進出した伊賀の男と、反対派の甲賀の女が、知らずに結婚してしまった。そこで事件とトラブルに巻き込まれる。
2024年09月28日
白昼艶夢<朝山せい一>
1956年の短編集で9作を掲載する、国会図書館デジタルコレクションで読んだ。幻想とも怪奇ともいえるが、内容は肉体と精神への拘束を描きマゾヒズムの 世界に繋がる。それをミステリの世界に持ち込んだと言われるが、ミステリ色は薄い。
2024年09月28日
死人狩り<笹沢左保>
1965年の作品で、電子書籍で読んだ。バスが銃撃を受けて転落して乗客全員が死亡した。加害者不明、被害者の身元不明状態で、警察は被害者の 乗客の身元を調べて行く、それは死人狩りだった。長い捜査で徐々に身元が判って行くが事件とは無関係らしいと判る。徐々に、身元不明者の数が減って行く。
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2024/08に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。