推理小説読書日記(2022/02)
2022年02月05日
幽霊は殺人がお好き<筑波孔一郎>
2001年に100円ショップ・大創から出版された文庫版の長編ミステリー・シリーズだ。作者は作品は多くはないが、内容的には初期の作品と似た雰囲気がある。幽霊探訪記を書いている有礼太郎と その助手が、幽霊が出るという家に行くと、そこで殺人事件に遭遇する。全体としては平均的なのミステリと言える。
2022年02月05日
影を持つ女<鷲尾三郎>
2021年に復刊された作品集で4作が収録される。中編「俺が法律だ」「蒼い黴」と、短編「誰かが見ている」「影を持つ女」だ。主人公の1人称探偵役と言うハードボイルドスタイルだ。 独特の雰囲気であり個性的だが、あくが強い内容でもある。鷲尾は本格ミステリ中心で復刊されていたので、新鮮だとも言える。
2022年02月05日
霊魂の足<角田喜久雄>
2021年に復刊された作品集だ。戦後すぐに発表された、加賀美捜査1課課長が主人の短編(長編は除く)を全て集めた。戦後は本格ミステリが書かれ始めたが、角田も本シリーズを 書き始めた事になる。内容的には多彩だと言える、そして戦争直後の東京の様子が詳しく描かれてもいる。
2022年02月05日
長崎踏み絵殺人事件<矢島誠>
2001年に100円ショップ・大創から出版された文庫版の長編ミステリー・シリーズだ。作者・矢島は謎解きというよりも、事件を追うと次々に事件が増えて起きるタイプで、沙うペンスに近い。 本作もその流れで事件とダイイング・メッセージを調べる探偵役3人だが、次々に殺人事件が起きて行く。
2022年02月05日
裏切りの特急サンダーバード<西村京太郎>
2002年の作品で、2004年に文庫化された。十津川警部とその班が登場するシリーズだ。本作は特急サンダーバードの乗っ取りでの爆破で多額の金を奪う計画が描かれる。偶然乗り合わせた 北条刑事だったが・・・・。複数人をバラバラに集めての襲撃計画の結果と、その行く先は何か?。
2022年02月11日
さらば愛しき魔法使い<東川篤哉>
2017年に出版された。刑事・小山田と魔法使い少女・マリィの連作シリーズの1作だ。魔法で真犯人が判ってしまうが、証拠がないという状態が起きるシリーズだ。事件と並行して 刑事と少女の微妙な関係が描かれる。倒叙ミステリの変形だろうか、サスペンスでもあり、ユーモア感が強い。
2022年02月11日
最後の楽園<服部まゆみ>
2019年に出版された、作者没後の全短編集だ。2冊の短編集の作品は復刊になり、それ以外は初の単行本となるが、いずれにしても作品数は少ない。これで終わろかと思うと残念だ。 やや長めの「桜」からショートショートと詩までを含む。金田一耕助を主人公の作品も2作ある。「最後の楽園」はやや異色作だ、個人的な好みは「骨」「末摘花」「雛」の系列だ。
2022年02月11日
金沢兼六園殺人事件<矢島誠>
2001年のダイソー100ショップのミステリーの1冊だ。副題が「警視庁おせっかい刑事の事件簿」だがそれは書かなくともと思える。ながれはサスペンスだが本格ミステリと言っても よいだろう、軽い文体と展開が逆に効果的だとも言える。
2022年02月11日
その裁きは死<ホロビッツ>
2020年に翻訳出版された。探偵役・ホーソーンと記述者でワトソン役の作家・ホロビッツが登場するシリーズの2作目だ。記述者のホロビッツ自身の話題・問題も全面的に描かれる。 謎が多いホーソーンは益々謎は増えて行く。その中で今回の事件が展開して行く。仇役とも言えるロンドン警視庁警部は毎回代わりそうだ、それゆえに相性は極めて悪く描かれている。
2022年02月17日
まもなく電車が出現します<似鳥鶏>
2011年の作品集で5短編からなる。高校の美術部の葉山を主人公として、その高校の出来事を描く学園ミステリシリーズだ。日常の謎かは微妙だがユーモアな出来事と謎が描かれる。 探偵役も登場して、主に文化部と文化祭りを中心に探偵活動が描かれて行く。
2022年02月17日
死だけが私の贈り物<小泉喜美子>
1985年にの作品を、2021年に復刊した、長編と同題の短編と同時に掲載した作品集だ。作者の最後の5作目の長編であり、サスペンスタッチの復讐談だ。死が近いと感じた女性が運転手 と共に、3人に復讐を行ってゆく。原形の短編を復刊時に同時に掲載している、どこが長くなったか、変更になったかが判る。
2022年02月17日
ダンガンロンパ霧切3<北山猛邦>
2014年に出版された「ダンガンロンパ霧切」シリーズの3作目で、女子中学生探偵と女子高校生探偵が裏組織の「探偵オークション」に参加する。語り手が探偵役に召喚され、しかも 事件の数が12もあった。2人では時間内には難しいそうだ。少年リコが加わり、多すぎる12の密室事件に立ち向かう事になった。
2022年02月17日
子猫の館殺人事件<芦川淳一>
2001年の作品でダイソウの100円文庫の1冊だ。時代小説を書いている作者と同名だが、同一かは不明だ。主人公の女性は友人の死を調べ始める。そこで秘密クラブ「子猫の館」に潜入 して調べる事になる。そこは今までに経験していない世界で、出会った謎の青年との恋と、アバンチュールの中で謎を調べて行く。
2022年02月23日
最後の間者<岡田秀文>
2006年の作品だ。安土城を築いて京大阪で自社勢力と戦う織田信長に対して、周囲の国から間者が安土に送りこまれた。間者狩で次々と数が減って行く。毛利の間者が中心で 進むが個々は他の誰が仲間かは知らない。さらに他の大名の間者ら二重間者もおり、ひたすら孤独な活動になる。間者を探す者との駆け引きと誰がどこの間者かが謎となる。
2022年02月23日
若さま侍捕物手帖33 謎文からみ<城昌幸>
2021年に復刊された全集の33集であり、短い中編「女化け市」と長い中編「謎文がらみ」を掲載した。中編や長編では伝奇時代小説の内容が多いが、最後期のこれら作品では 若さまの登場場面が増えて事件を解決する話になって来ている、若さまが居なくとも展開できそうだが・・。江戸以外が舞台になり、人探し・物探しで競い合う展開はお馴染みだ。
2022年02月23日
卵の中の刺殺体<門前典之>
2021年の作品だ、建築士探偵・蜘蛛手が活躍する事になるのだが、またまた不在であり、探偵助手で建築事務所の共同経営者の宮村が事務所の経営維持の為もあり、事件を引き受けた。 その宮村の詳細メモ等を中心に事件が記載される。事件後に戻った蜘蛛手がそれらを読んで捜査に乗り出して名探偵として解決する。
2022年02月23日
特捜本部<堂場瞬一>
2016年の作品で刑事・一之瀬拓真シリーズの4作目だ。所轄。千代田署から本庁捜査1課に異動した一之瀬が初めて特捜本部での事件捜査に関わる。切断死体という事件で、関係者の 出身大学が同じ理由からその聞き込みを担当する。周囲や同期が手柄を求めて動くと、自身もそれを求めて行く。ライバル刑事が死体発見してさらに心が乱れる。
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2022/02に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。