推理小説読書日記(2021/02)
2021年02月04日
潜る女<堂場瞬一>
2017年に出版された大友鉄が主人公のシリーズの8冊だ。大友は同期に頼まれて結婚詐欺事件の捜査を協力する。ジムに客として潜入捜査した。それ事態は動きは少ないが 他の事件が起きて、背景か近くになにかがあると疑うことになって行く。慣れない詐欺と知能犯に、殺人事件が絡んで進行する。
2021年02月04日
黒の十字架<森村誠一>
1981年の作品で、度々に文庫化されている。巨悪を描く十字架シリーズの1冊であり、国家権力を背景にした巨悪とそれに対応する個人とグループを描く。 森村作品に登場する羽代を舞台に潜入捜査する刑事を中心に、戦いが描かれる。
2021年02月04日
完本 人形佐七捕物帳5<横溝正史>
2020年に再編集された、人形佐七捕物帳全集の5冊目だ。発表順に並べる10冊の5冊目であり、収録作品は戦中を終わり、戦後の作品に移って行く。戦後の横溝は雑誌への 複数の連載を初めて勢力的に書いているが、捕物帳も同様に続々と書いてる。ただし設定上は佐七は上司の失脚で3年空白がある設定であり、再び2人の子分を呼び戻しての最出発の形を採っている。
2021年02月04日
逆鱗の島へ還れ<阿井渉介>
1987年の作品だ。沖縄のある島の青年が主人公で東京から来た妻と暮らすが、空港建設で揉める中で事件に巻き込まれて逃亡する。色々なグループと人物が動く中で、 助けられた人物に連れられて台湾に行く。だがて妻に会うために、忍んで島に戻ると引き払って東京に戻っていた。何も分からない中でも探しに行き、なおも事件に巻き込まれる。
2021年02月10日
暁の連合艦隊<辻真先>
1994年の作品だ。疑似戦記小説であり、シュミレーション小説とも呼ばれる小説だ。太平洋戦争で沖縄戦で死んだ人物が、別世界の神により蘇りその世界のその人物と合体した。 そこでは山本五十六の下で数々の海戦を戦う事になった。ロシアぼ北洋艦隊とのオホーツク決戦を中心に描く。
2021年02月10日
揺籠のアディポクル<市川憂人>
2020年の作品だ。東京の病院の隔離病棟の無菌室が舞台で、そこで生活する少年の視点でそこに暮らす少女と、医師と看護師を描く所から始まる。嵐の夜に病棟は周囲から 連絡が途絶えて、患者2人の生活が始まる。そして事件が起きる。閉ざされた空間での主人公の行動と、真相は何か。
2021年02月10日
硝子の探偵と消えた白バイ<小島正樹>
2013年の作品で2017年に文庫化された。「硝子の探偵」の別名を持つ人物が主人公で、冒頭に白バイが消える謎が起きた。その後も多数の事件と謎が展開してゆく。 そして最後に残るのが消えた白バイの謎だ、その解明で小説は終わる。
2021年02月10日
街医者の推理小説<竹谷正>
1986年に出版された作品集だ。中編「白夜の幻影」と短編「一流保険」「いりはにほへと」が収録される。大学病院医師から街医者となった作者が30年間書いてきた推理小説から、 3作を出版した。2作は雑誌発表作だ。
2021年02月16日
九度目の十八歳を迎えた君に<浅倉秋成>
209年の作品で、2020年に文庫化された。青春ミステリであり、架空設定のミステリだ。主人公は同級生が年を取らず、18歳のままでいる理由を探す事になる。謎ではあっても、 不思議ではないのかと思うがそういう小説世界だ。本人に聞くが答えてもらえないので、周囲を聞いて回る事になる。
2021年02月16日
無邪気な殺人鬼<宮野村子>
2020年に出版された単行本未収録作品集で、未発表作も1作ある。デビューも早く単行本も多くある作者だが、殆どは入手困難な本だ。薄い本も多く、痛みやすい紙質もあり厄介な本だ。 だが復刊は殆どされていない。そして本集によると、単行本未収録作品がまだ多数あると言う。
2021年02月16日
エドモンド・ゴドフリー卿殺害事件<ディクスン・カー>
1936年の作品で、日本では1991年に出版された、文庫化が2007年にされた。文庫化ではダグラス・グリーンの序と跋が加わった。1678年に起きた未解決事件を、カーが資料整理して記述した。 そして推理小説として自らが解決を示した。グリーンによるとその後に新しい証言が見つかったと言う。新事実が加われば、謎の解決は変わる。当時のイギリスは奇妙な世界だった。
2021年02月16日
放課後探偵団2<>
2020年に出版されたアンソロジーだ、10年前のアンソロジーの続編で「2」となっている。作者は入れ替わっていて、今回は武田綾乃・斜線堂有紀・辻堂ゆき・額賀澪・青崎有吾だ。 学園ミステリーであり、1990年生まれ以降の若い作者ばかりで女流作家が目立つ。
2021年02月22日
BLOOD ARM<大倉崇裕>
2015年の作品で2018年に文庫化された。その際に短編「怪獣チェイサー」も収録された。未知の生物(怪獣?)が幾度か現れるが、人類の中で密かに研究していて供えている集団がある。 そこから派遣された者が死闘を繰り広げる。そこに迷い込んだ者の視点から事件発生から一応の終わりまでが描かれる。何故、密かに戦うのか??。
2021年02月22日
探偵少女アリサの事件簿<東川篤哉>
2014年の作品を2016年に文庫化された。副題は「溝ノ口より愛をこめて」で4話からなる連作集だ。川崎から立川までの南武線は東京の西の鉄道線でそこを舞台に便利屋の視点から 両親が探偵で自らも探偵と言う10歳の少女・綾羅木有紗と共に事件を解決する、ローカルな時刻表トリックもある。
2021年02月22日
若さま侍捕物手帖 20月光の門(上)<城昌幸>
2020年に復刊された「若さま侍捕物手帖」シリーズの1冊で、全作復刊を目指す20冊目だ。後期になると長編が増えるが、初めての2冊分冊の超長編となる。シリーズでも長編は、 短編とは異なり伝奇時代小説の味が強い。若さまや岡っ引き・遠州屋小吉の出番は少なくなる。本作でも本格的に登場するのは(上)の中間からだが、一応は捜査を行う。
2021年02月22日
若さま侍捕物手帖 20月光の門(下)<城昌幸>
「月光の門」の下巻だ、長編では登場人物は多く、それらが幾つかのグループに判れて競う。4人の娘が攫われてその目的が謎となる、それにそれ以外の思惑が絡んで奪い合いとなった。 そこに将軍家が絡んだ事から若さまらも捜索を頼まれた。江戸から始まった事件は東海道を西に移動して、険しい山中に移って行く。
2021年02月28日
誤報殺人<島田一男>
1946年から1960年の短編作品を再編集して1990年に文庫化した作品集だ。新聞記者を主人公にした作品であるが、全てが事件記者ものではない。作者は事件記者ものに対して「探偵小説 的なものと異なる興味を狙った」とするが、それは本書でも当てはまる。
2021年02月28日
京都駅殺人事件<西村京太郎>
2000年の作品で、2003年に文庫化された。十津川警部シリーズの1冊であり、題名に「駅」がつくシリーズの1冊でもある。巨大な京都駅を爆破するという脅迫事件を地元警察と捜査する。 駅シリーズは現在進行型事件を描き、その事件内容からサスペンスとなる。
2021年02月28日
月下美人を待つ庭で<倉知淳>
2020年の作品集で探偵役の「猫丸」が登場する短編5作からなる。倉知のデビュー当時からのキャラクターであり断続的に書かれてる、本書は15年ぶりと表示されている。当然に年齢は増えない。 神出鬼没型のキャラで短編向きだ。副題が「猫丸先輩の妄言」であり、推理=妄言が語られた段階で小説は終わる。
2021年02月28日
闇の叫び<堂場瞬一>
2018年の作品だ。刑事・大友鉄が主人公のシリーズ第9作で最終巻の表示もある。大友の息子・優斗が成長して手を離れてゆくが、その昔の同級生の母親から事件の調査を持ち込まれる。 しばらくしてその学校絡みの事件が起きて、大友はそこの教師と出会い違和感を持つ。そして過去の事件が掘り出され、新たな事件も起きる。
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2021/02に読んだ本の感想を随時書いてゆく。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とする。
当然、ネタばれは無しだがそれは理解度で変わる。