推理小説読書日記(2014/07)
2014年07月06日
眠り姫とバンパイア<我孫子武丸>
「ミステリーランド」という子供も大人も読めるミステリを趣旨に作られた叢書です。かなり出して、自然消滅的になっています。色々なアプローチがありますが、 中には子供向けには考え物という作品もあります。本作もそれに近いです。子供に架空のもので話す時はもっとナーバスに選ぶべきと思いますがいか?。
2014年07月06日
隠密姫<陣出達朗>
捕物帳でも有名な作者ですが、これは典型的な伝奇小説です。論理性は弱いが、謎の多さと多彩な登場人物と派手な展開という伝奇小説要素は満載です。密書とか 秘宝も定番です。
2014年07月06日
特殊防諜班・最終特命<今野敏>
最終特命というくらいですから、シリーズ最終作です。この奇妙なシリーズがかなり以前に書かれている事にむしろ驚きます。現在テーマにされる事が複数混ざって います。一話完結でも、連続性はあるのでシリーズは刊行順に読みのが最適です。
2014年07月12日
鳥少年<皆川博子>
16作からなる短編集は、如何にも短い作品ばかりですが、内容は50枚−100枚位の重量級です。独立して書かれた作品なので、統一テーマはなく読み終わるまで 進み方や、何かあるのかないのか・・・色々考えてしまいます。短いのがかえって効果的です。
2014年07月12日
国境の女<夏樹静子>
多彩なテーマと重量級の内容が多い作者の、やや短めなミステリーかどうか中間的な作品です。もともと、単独長編を目指さないものがあとで単行本になったらしい。 妻が夫を、メキシコ国境まで追い死の真相を知ろうとします。
2014年07月12日
宝石s35.12<>
長編連載は、水上勉で、連作は鹿島孝二です。短編は土屋隆夫・黒岩重吾・水谷準・菊村到・戸板康二で、短い作品のSF特集があります、当時は星新一の影響が大きい のでしょう。翻訳はウッドハウスとバウチャーです。
2014年07月18日
残月<高田郁>
登場人物のいくらがリセットされ、影の登場人物が表に出て来ます。漸く味覚を取り戻したが、料理帖よりも裏の話しが主体の会が続きます。料理の試練に舵を切った 感もあり、元のスタイルに戻るかもしれない。料理帖になるのか、はたまた別の展開でしょうか。
2014年07月18日
氷雪の殺人<内田康夫>
利尻島を密室と見立てた殺人事件の謎を追う光彦ですが、今回は依頼元がおりそれも意外な所からです。本来は付属の話しが非常に重いです。戦争・自衛隊・スパイ・ 南樺太とミステリーに会うのかどうか?。かと言ってサスペンスでもないです。
2014年07月18日
特捜7<麻見和史>
警視庁捜査1課7係の7人のグループが事件を追います。その1人の岬刑事が、所轄の奇妙な性格と能力の若手女性刑事と事件を追うと、過去の事件も掘り出されます。 本格ミステリーの警察小説の新シリーズですが、誰が主人公かそもそもシリーズとして読むのがただしいのか、それは1冊では不明です。
2014年07月24日
町奉行所日記<山本周五郎>
個別の色々な時代小説からなる短編集です。個々の分量は短いが、テーマは広く内容も広く、パターン化されず読み応えはあります。全体に重量感がありますが、ユーモア もあり、軽く読み飛ばすものでないが楽しく読めます。
2014年07月24日
羽子板娘<横溝正史>
人形佐七捕物帳からの選集です。これで全体像を掴めるかどうかは、選んだ側が大きいでしょう。掲載作はミステリー味が強く、意外と長めです。順次レギュラーも登場します。 短編ながら特徴的な章題がついて印象的です。ナレーション的なのでしょうか。若き日の佐七の話しです。
2014年07月24日
初陣 隠蔽捜査3.5<今野敏>
隠蔽捜査シリーズの短編集で、伊丹からの視点で描かれ、困り悩むと竜崎に相談します。その結果双方の特徴と、警察組織と官僚組織が同時に現れます。時期は長編の進行 と併行した時間設定で、役職等は長編を読んでいる人には判り易いです。
2014年07月30日
結い<皆川博子>
短い長さの短編18編からなる短編集です。個々に違うテーマですが、それぞれにテーマと狙いと切れ味があります。短編は玉石混在と言いますが、玉が多いことは間違い ありません。連作でないので進行や結末を予想出来ず、短くとも緊張を保って楽しめる作品集です。
2014年07月30日
サヴァイブ<近藤史恵>
日本では知られていない、自転車ロードレースがテーマの短編集です。元々が、個人競技のようで実は団体競技で如何にそのチームのトップを優勝させるかという犠牲の 戦いは日本人には新鮮で興味深いテーマです。無理にミステリーにする必要もなく、特に短編ではその要素は希薄ですが、それが目的でない人は楽しめます。
2014年07月30日
真鍮のむし<田中啓文>
サックス奏者・氷見緋太郎シリーズの第3短編集です。途中で海外に行く関係で、バンドも解散でそのところは大きく変わっています。ミステリー要素のジャズ小説か、 ジャズ小説にミステリー要素があるのかは読者が好きに考えましょう。。
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2014/07に読んだ本の感想を随時書いてゆきます。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。