推理小説読書日記(2014/02)
2014年02月06日
特殊防諜班・連続誘拐<今野敏>
異なる文庫で、復刊される度に題名・シリーズ名が変わっている作品です。警察小説でもないし、ジャンル分けが難しい作品です。国家、民族、宗教、超能力、陰謀 と揃っていますし、主人公と取り巻きもまだまだ正体不明でどんな能力が出てくるかは不明です。とにかく、特殊なのですし、旧題の新人類も当たっています
2014年02月06日
藍色回廊殺人事件<内田康夫>
残った背景の徳島県は、実は観光ルポどころで無かった・・・から、浅見光彦が、多彩な事に絡みます。3つの回廊のひとつ、染め物の藍色回廊と、吉野川の堰問題 そして、その破壊と河口堰の建設問題とを調べて行くと、殺人事件が発生します。
2014年02月06日
女はナメろ、男はバラせ!<島久平>
雑誌一挙掲載の長編(中編かも?)を中心とした作品集です。中期から後期の作品で本格身味はなく、ハードボイルド活劇でもなく、緩いハードボイルドとユーモア にお色気を加えたものです。題名からユーモアものと判るかどうか、関西弁を駆使した所もユーモアを意識したとも言えるでしょう
2014年02月12日
吉野賛十探偵小説選<吉野賛十>
作者初めての単独単行本です。昭和20年代後半から30年代が主な活動期間です。自身が盲学校の教師とという経歴から、盲人が登場する作品が主体です。しなしば 登場する花輪正一が探偵役で登場するが、盲人で盲学校の教師です。作品の全貌が判ると、ジャンルやスタイルは多彩であった事が判りました。
2014年02月12日
宝石S.34.10<>
長編連載は、鮎川哲也と南条範夫と松本清張で、募集短編発表が久能恵二と関戸和子で、短編が香山滋・邱永漢・高城高・宮野村子です。ハードボイルドの座談会が あります。コラム・エッセイ・翻訳は多彩で多いです。
2014年02月12日
シュークリーム・パニック<倉知淳>
寡作家の短編集です。本格作家でも、論理性よりも推測や飛躍した発想を主体にしたユーモアが持ち味です。やや長い短編が3作の作品集です。シリーズではなく、 個別の作品が集まっています。それ故に、作者のやりたい放題とも言えるかも知れません。仕掛けが予想しにくいとも言えます。
2014年02月18日
彼方の微笑<皆川博子>
主人公の幻視体験から、美術・絵画・壁画の世界に入り、死がからみ舞台が日本の遠方からローマへ広がってゆきます。幻視なのか、多様な事と人物に心が 迷うと主人公の行動と行く先は不透明になります。絵画が登場すると定番の贋作も登場して、奇妙な小説になって行きます。
2014年02月18日
貴族探偵<麻耶雄嵩>
謎を執事に解かせる貴族と、謎を解く複数の執事の連作です。誰が探偵でも同じかも知れないが、貴族が中心だから警察にも通じている(こね)らしく、情報収集 にたけたキャラです。短編で有効に、事件を解決するのに必要な条件を、ひねったキャラで表現したと言えるでしょう。
2014年01月18日
姫路・龍野殺意の詩<大谷羊太郎>
警視庁刑事が管轄外の事件や捜査を自由に行う、出張先で観光したり女性と知りあったりいかにも自由過ぎる探偵役の八木沢シリーズの1冊です。 頼りなさげな視点との併行で進み、最後に八木沢に集まり、解決するパターンはおなじです。
2014年02月24日
茉莉子<夏樹静子>
重い長編です、ミステリー的には視点の異なる2つの話しが進行して、その繋がりを推理する話しと見る事が出来ます。同時にテーマ小説の面もあります。ネタばらし かも知れませんが、解説にコメントなしで書かれているので、書いてしまうと人工授精の話しです。時代的にもようやく広がりつつある1992年の作品です。それでも深く 入り込む試みもあります
2014年02月24日
疾風ロンド<東野圭吾>
トリノ冬季オリンピック観戦記もある作者は、スキーがテーマの作品も複数あります。複数の事件や揉め事が併行して起こり、絡み合って進むという活劇風冒険風 サスペンス風小説です。作者の一面でもありますが、一般には多いスタイルが今のミステリでは多いです。器用な作者が無難にまとめました。
2014年02月24日
殺人鬼<横溝正史>
4作の作品集で、戦後すぐから10年くらいの作品ですが、舞台の時代はそれとは異なります。金田一耕助登場作ですが、登場初期から、書かれたのは後でも、背景 は初期の作品です。「百日紅の下にて」は「獄門島」の序章としても有名です。
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2014/02に読んだ本の感想を随時書いてゆきます。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。