推理小説読書日記(2013/05)
2013年5月06日
宝石S37.10<>
或る作家の周囲は仁木悦子で、陳舜臣・草野唯雄・星新一・田中万三記・新羽精之・田島哲夫・高城高の短編と、土屋隆夫・横溝正史・島田一男の長編連載です。 コラムや批評が連載を含めて多いです。
2013年5月06日
窓の外は向日葵の畑<樋口有介>
高校生の主人公と女友達?(後輩)とが夏休みに事件を追いかける青春ミステリに、主人公の元刑事の親が担任の女先生に引かれて捜査?するのが重なります。 随分と性格の異なる親子ですが、どこかで重なる部分もあります。
2013年5月06日
宝石S38.08<>
或る作家の周囲は南条範夫で、加納一朗・田中万三記・藤木靖子・南条範夫の短編と、河野典生・覆面作家の長編連載と、蒼社廉三の長編(中編)一括掲載です。 評論は日本と海外翻訳の連載とコラムや批評です。
2013年5月12日
ガラスのターゲット<安萬純一>
奇妙な名前と挙動の探偵・被砥功児が登場する2作目です。舞台は一転して?、東京のある同窓会です。同窓会という設定は、都合が良いですね、過去と現在とひょっと するとその間に色々あってもかまわないという作者に都合が良い設定です。それもあって謎は深いと言えるが、名探偵ものに多いやや歯切れの悪い終わり方です。
2013年5月12日
仁木悦子少年小説コレクション1<仁木悦子>
コレクションという名ですが、この作者は寡作ですので、未収録作品が多いですがそれ以外も含めた全集となるそうで、その第1巻です(全3巻)。短編とようやく 読めるようになった「消えたおじさん」と、漸く単行本発収録の「灰色の手帳」が収録されています。
2013年5月12日
霧の翼<福本和也>
航空機ミステリーの専門作家の初期の作品ですが、航空機絡みの謎もあるが全体は、サスペンスとスパイ絡みの国際スパイ小説と言えるでしょう。某国が相手として 登場するのはこのタイプの小説の定番です。
2013年5月18日
笑い姫<皆川博子>
時代伝奇小説です。時は天保で、オランダ通訳の主人公が江戸に出たが、気がつけば罪人になっていて島流しになった。当然に八丈島と思いきや、そこを遙かに過ぎ 今の小笠原諸島に連れて行かれた、そこにはハワイが領土を主張して、個人に移住を認めていた。本人は日本の主張を否定しないが、金を払って移住しているので立ち退き には応じない、かくて日本からの移住者にされたわけだった。
2013年5月18日
カッコウの卵は誰のもの<東野圭吾>
ある学者が見つけたと思っている、運動神経の優れた遺伝子パターン。それ持つ者を特別にスカウトして証明しようとするプロジェクトがあった。元スキーヤーの娘に そのパターンが見つかり知らずにスカウトされるが、男親との血のつながりは無さそうで、一体娘は誰の・・・。
2013年5月18日
毒物殺人<今野敏>
「ST 警視庁科学特捜班」の第2作目です。その集団は個性派揃いだが、そろうとまるで嘘発見器的な能力を持つ。捜査本部の主流からはずされ、独自の捜査で次第に 真相にたどりついてゆく。
2013年5月24日
噛む女<結城昌治>
純粋の短編集です。8編と落語が1作ですが、それぞれが独立して、ジャンルも別々という作者の力が出やすい形式です。次第に長編化的な工夫がされはじめました。 最初は、新工夫かと思った事もありますが、個別の作品の評価と全体の評価との2面から、個別作品の評価が薄くなった感があります。
2013年5月24日
スペードの女王<横溝正史>
横溝正史の代名詞の、首のない死体トリックの1バージョンです。この作者の代表作のはふくまれない作品でも、本格+サスペンスとして一定のレベルを維持した作品 が多数残っている事は驚きです。誰かが本格は作品数が限られると言ったのが該当しない作家です。
2013年5月24日
風の扉<夏樹静子>
発表が1980年という事が大事です。テーマがもし今だったら、話題を通り越して問題視されそうですが、時代を先取りしすぎると、SF的に見るので逆に自然に読む 傾向があると思います。わたしは発表時に一部を読み、今回が全部の再読ですので、時代性というものを強く感じます。
2013年5月30日
宝石S34.01<>
短編は、オランペンデク射殺事件・破獄教科書・悪魔はここに・治療・妻を殺す・吉備津の釜という有名な作が多い。連載は仁木悦子・横溝正史・島田一男・鹿島孝二と こちらも有名作が多い。国内小説に限れば、後に単行本で紹介されている作品が大部分を占めています。
2013年5月30日
螺旋の底<深木章子>
読み終わって全体の構造が判ると、改めて複雑で緻密を感じるが、その精度は確認する元気がない。シンプル化すると前例はあるし、ジャンルによれば流行とも言える。 それを、本格の謎に組み替えられると相当に理解しないと評価が難しいです。相当な傑作に見えるのだが、それを言うには何回読み返す必要があるのだろうか。
2013年5月30日
宝石S34.02<>
短編は、渡辺啓助・大藪春彦・星新一・城昌幸・山村正夫・中原弓彦・高城高でいくつか代表作がある。連載は仁木悦子・横溝正史・島田一男・鹿島孝二と前号と同じ です。翻訳小説もコンスタントに掲載されていますが、著者はあまり名前を聞かない人も多いです。
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2013/05に読んだ本の感想を随時書いてゆきます。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。