推理小説読書日記(2011/07)
2011年07月04日
ポーズする死体<オード>
主人公は2作目の登場と言うことですが、私が読むのははじめてです。ポーズする死体たちという状況は、ミッシングリンクか、または見立てでしょうか。 どちらにしても地味です。特にセンセーショナルとも言えないし、意味があるのかも判らない。そして作者の文章も、そのような風に進みます。やはり、地味 だが見せかけているのか、作風か?。
2011年07月04日
天使の爪(上)<大沢在昌>
天使の牙で、不思議な状況におかれたふたり、仁王と主人公の改名?しての神崎アスカのコンビが活躍します。生体間の脳移植を受けた、アスカ自身が 貴重なサンプル?・そしていつまで生きるか判らない状況です。仕事も、警察から麻薬管理官に変わり事件から離れようとするが、自身がサンプルだからそうも ゆきません。そして、知らない所で行われた第2の手術が波紋を呼びます。
2011年07月04日
天使の爪(下)<大沢在昌>
生体間の脳移植で、ふたりの脳と体の合体に悩むアスカですが、この手術自体がもっと問題を起こす要素があります。そして、第2の手術がそれだったのです。 ロシアとアメリカを巻き込む、あるいは相方に巻き込まれた日本の立場を守る事ができるかどうかは、微妙な関係になっている、このコンビにゆだねられたのです。
2011年07月10日
悪の相続人<大谷羊太郎>
主人公のヨウが、旅先で出会う不思議な出来事と、出会う人物たち。やや無理気味に、事件に巻き込まれてゆきます。トリックか、怪奇現象か、夢かを悩み ながら振り回されて行くと、次第に何かが見えて来ます。マザコン大学生探偵はひとり立ちできるのでしょうか。内容と、登場人物にギャップが・・・。
2011年07月10日
子どもたちの長い放課後<仁木悦子>
子どもを主人公にしたアンソロジーです。この作者の得意分野で作品数も多いです。単行本収録作5編に、雑誌掲載のみで単行本発収録2作を加えています。 まだまだ、単行本未収録作があると思えます。櫟究介登場作が2作採られています。
2011年07月10日
夜更けの祝電<夏樹静子>
テレビドラマで有名な、「検事・霞夕子」シリーズですが、内容的にはかなり異なります。ドラマはオリジナル台本も多く、内容も異なる部分が多いです。 霞夕子のキャラクターも異なるし、家族も赴任先も異なります。小説は短編で、目立たない捜査好きの主任検事が、検事の仕事の合間に捜査に首を出します。 やや、コロンボに似た設定かも知れません。
2011年07月16日
片思いレシピ<樋口有介>
柚木草平シリーズの番外篇です。主人公は、娘の柚木加奈子です。柚木草平は、電話で登場とあとちょっとだけ捜査した様です。むしろ、知り合いの刑事 や知り合ったお祖父さんも捜査します。まあ刑事は当然として、お祖父さんの捜査は怪しげです。頼りない友達のために塾の殺人の捜査に絡んだ加奈子の活躍と そして、題名どうりの結果・・・。
2011年07月16日
隻眼の少女<麻耶雄嵩>
18年の時を経た、ふたりの同名の親子の少女探偵と、偶然?にそのワトソン役になった主人公が、山奥の村の風習と特殊ないいつたえに絡む、殺人の 捜査を行います。生まれながらの探偵を継ぐ少女の修行となる捜査の行方は?。18年の時を経て部分的に繰り返す謎の正体とは何か。強引とも、極致の 設定の謎と事件です。
2011年07月16日
あの頃の誰か<東野圭吾>
連作でない、純粋の短編集です。今では珍しいです。しかも、作者によると全て「訳あり」作品ばかりとの事です。それらを集めたとしても、個別に内容は 異なり、いろんなジャンルが登場して、これも良いでしょう。訳あり・・便利な言葉です。
2011年07月22日
逸文・紫式部日記 白の祝宴<森谷明子>
デビュー作の「千年の黙 異本源氏物語」の続編になります。本作の主題は「紫式部日記」の謎です。源氏物語という著名な文学の著者の、日記「紫式部 日記」ですが、日記とはいえ何故源氏物語と比較して何故、面白くないかという謎です。時代は過ぎて、式部と和手木ともに歳を重ねています。そして、 式部は中宮の出産の日記を近習に書かせた物をまとめる為に呼ばれます。そこで、色々な事件が起きます。
2011年07月22日
毛糸よさらば<ジル・チャーチル>
主婦探偵ジェーン登場ですが、事件は起こるが日常の雑事になやまされて、なかなか事件に対してはのんびりムードでしか進みません。ユーモアかライトか 読者を飽きさせながら、話はともかく事件はゆっくりと進みます。あなたはこの展開に絶えられるか。
2011年07月22日
縛り首の塔の館<加賀美雅之>
パリ警察の、ベルトランが主人公の短編集です。本格というか、不可能犯罪のシリーズです。それも、派手というか大胆な物理トリックが満載で、驚きです。 やや、小粒になりがちなミステリの全くの逆を行く、作品集はどこまで行くのでしょうか。
2011年07月28日
迷宮ホテルへようこそ<近藤史恵>
ジュブナイル小説のシリーズの2冊目です。女子中校生3人組が主人公ですが、その内のだれかが特に中心になります。女子校は良家の集まりですが、壁 ひとつ離れた男子中学校はごく普通です。そこに偶然知り合った2人がいます。そんな中で起きる事件は、まず脅迫状(らしい)??が届き、その状態である ホテルに行きますがそこで事件にあいます。・・・・・。
2011年07月28日
生ける屍<ディキンソン>
薬学者が、孤島で物質の動物実験をやらされますが、そこは狂気の満ちあふれた妖しい世界でした。本当の狙いは、人体実験を行おうとする事でした。 その物質を飲むと、生ける屍状態になるという。
2011年07月28日
壁抜け男の謎<有栖川有栖>
連作長編の多い最近では珍しい、しかも短めの作品が多い、そしてジャンルも色々という盛り沢山というか、ごった混ぜというか、短編集です。 読んでみないと、何が飛び出すのかさえ判りません。
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2011/07に読んだ本の感想を随時書いてゆきます。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。