推理小説読書日記(2003/07)
2003年7月4日
屍蝋の街<我孫子武丸>
これは本格探偵小説ではありません。 SFか、ホラーかハードボイルドか良く分からない。近未来の設定でコンピュータに弱い人は困るかも知れない。 「腐蝕の街」の続編なので、登場人物と親しみがあると、少しは読みやすいでしょう。
2003年7月5日
能面殺人事件<高木彬光>
昔よんだのですが、内容がはっきりしないので再読。トリッキーな作品です。 作者初期の作品で、改稿の余地は沢山あると思いますが、やや強引な所も捨てがたい。 探偵作家クラブ賞受賞で、改稿は出来にくかったとおもいます。
2003年7月8日
パリに消えた花嫁<長井彬>
現在、長井彬の評論を書く準備中です。未読本を読んでいます。 この小説は、作者のなかの位置づけが難しいと思います。
2003年7月10日
写本室の迷宮<後藤 均>
2002年度鮎川哲也賞受賞作。 趣向をこらした構成と、かなりのけれん味のある本格探偵小説です。 一気に読ませる展開だが、細部にもう少し何かが欲しい作品でもあります。
2003年7月18日
Pの密室<島田荘司>
鈴蘭事件は、中編集の1編です。御手洗潔の幼稚園時代の事件設定です。キャラクタ面からは、上記の作品ですが、1種の昔の話で 科学捜査が進歩していない状態設定が可能な事がポイントになっています。二重の真相構成も成功していると思います。 なお歴史考察は行っていません。 Pの密室はキャラクターファンは別にすると、時代設定(検証はしていない)から、科学捜査を廃する所が目に付く。 密室トリックや、数学好きの構成など初期の作者の作風を思い出させる。この作者の世界であり、細部のチェックなどしたくもない。
2003年7月22日
紅い蛾は死の予告<梶龍雄>
伝奇的とも、耽美的ともいえる背景に映画のシナリオを絡ませた凝った構成です。 そして、あまりにも大胆過ぎるメイントリック、そして多くの周辺トリック群。本格探偵小説の本道を行きながらそこにとどまらない所が 作者の心意気と思う。連続殺人が続くので、犯人がわからない人は少ないだろうが、充分に楽しめます。
2003年7月24日
長崎・京都、復讐の殺人ルート<金久保茂樹>
交通機関の正確な運行を元に発達した、アリバイトリックは沢山の作家に書かれています。 1説にはプロの仕事と呼ばれるように構成・トリック・文章力の全てが要求されます。鮎川・津村の死後、誰が後継者か興味があります。 この作者もその一人、まだまだ今後に期待したいと思います。
2003年7月27日
蜃気楼・13の殺人<山田正紀>
SFも大家ですが、ミステリーも大家です。本人は名探偵がいないので探偵小説かどうか疑問とのことです。 この作者ならばそれも期待しますが、小説の内容は全て探偵小説の固まりといえる作品です。贅沢すぎて、消化不良でもないです。 再刊がしばらくなかったのが不思議です。
2003年7月29日
おれは非情勤<東野圭吾>
主人公は「おれ」? 東野圭吾はハードボイルドも書く? 初出誌は小学生雑誌>ジュブナイルも書く? ほんとになんでも上手な作家です。謎自体は当然やさしいですが、連作ごとに教訓で終わり、お見事です。 同時掲載の放火魔をさがせ等は、主人公が小林竜太という少年のため、純然たる少年向きに感じました。少年向けは、 書くのは非常に難しいといわれます。結構、大人のファンが多い分野でもあります。
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屍蝋の街<我孫子武丸>
これは本格探偵小説ではありません。 SFか、ホラーかハードボイルドか良く分からない。近未来の設定でコンピュータに弱い人は困るかも知れない。 「腐蝕の街」の続編なので、登場人物と親しみがあると、少しは読みやすいでしょう。
2003年7月5日
能面殺人事件<高木彬光>
昔よんだのですが、内容がはっきりしないので再読。トリッキーな作品です。 作者初期の作品で、改稿の余地は沢山あると思いますが、やや強引な所も捨てがたい。 探偵作家クラブ賞受賞で、改稿は出来にくかったとおもいます。
2003年7月8日
パリに消えた花嫁<長井彬>
現在、長井彬の評論を書く準備中です。未読本を読んでいます。 この小説は、作者のなかの位置づけが難しいと思います。
2003年7月10日
写本室の迷宮<後藤 均>
2002年度鮎川哲也賞受賞作。 趣向をこらした構成と、かなりのけれん味のある本格探偵小説です。 一気に読ませる展開だが、細部にもう少し何かが欲しい作品でもあります。
2003年7月18日
Pの密室<島田荘司>
鈴蘭事件は、中編集の1編です。御手洗潔の幼稚園時代の事件設定です。キャラクタ面からは、上記の作品ですが、1種の昔の話で 科学捜査が進歩していない状態設定が可能な事がポイントになっています。二重の真相構成も成功していると思います。 なお歴史考察は行っていません。 Pの密室はキャラクターファンは別にすると、時代設定(検証はしていない)から、科学捜査を廃する所が目に付く。 密室トリックや、数学好きの構成など初期の作者の作風を思い出させる。この作者の世界であり、細部のチェックなどしたくもない。
2003年7月22日
紅い蛾は死の予告<梶龍雄>
伝奇的とも、耽美的ともいえる背景に映画のシナリオを絡ませた凝った構成です。 そして、あまりにも大胆過ぎるメイントリック、そして多くの周辺トリック群。本格探偵小説の本道を行きながらそこにとどまらない所が 作者の心意気と思う。連続殺人が続くので、犯人がわからない人は少ないだろうが、充分に楽しめます。
2003年7月24日
長崎・京都、復讐の殺人ルート<金久保茂樹>
交通機関の正確な運行を元に発達した、アリバイトリックは沢山の作家に書かれています。 1説にはプロの仕事と呼ばれるように構成・トリック・文章力の全てが要求されます。鮎川・津村の死後、誰が後継者か興味があります。 この作者もその一人、まだまだ今後に期待したいと思います。
2003年7月27日
蜃気楼・13の殺人<山田正紀>
SFも大家ですが、ミステリーも大家です。本人は名探偵がいないので探偵小説かどうか疑問とのことです。 この作者ならばそれも期待しますが、小説の内容は全て探偵小説の固まりといえる作品です。贅沢すぎて、消化不良でもないです。 再刊がしばらくなかったのが不思議です。
2003年7月29日
おれは非情勤<東野圭吾>
主人公は「おれ」? 東野圭吾はハードボイルドも書く? 初出誌は小学生雑誌>ジュブナイルも書く? ほんとになんでも上手な作家です。謎自体は当然やさしいですが、連作ごとに教訓で終わり、お見事です。 同時掲載の放火魔をさがせ等は、主人公が小林竜太という少年のため、純然たる少年向きに感じました。少年向けは、 書くのは非常に難しいといわれます。結構、大人のファンが多い分野でもあります。
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年月別に読んだ本の感想を随時書いてゆきます。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。
本格推理小説が中心ですが、広いジャンルを対象とします。
当然、ネタばれは無しです。